花の咲く場所[今井麻美]のレビューとPV、歌詞、カラオケ配信状況

2011年10月02日 23:05 更新

カテゴリ: [今井麻美][2010’s作品][コープスパーティー]
タグ： [今井麻美][ミンゴス][OP]

花の咲く場所とは

2011年（平成23年）PSPゲーム『コープスパーティー Book of Shadows』OPテーマ。
今井麻美7thシングル。
これだ！このミンゴスの圧倒的にタフなハイトーンを待ってたんだ！！

データ

歌手: 今井麻美
作詞: 森由里子
作曲: 濱田智之
編曲: 伊藤俊
コーラス: 今井麻美、名取友美、湯浅要
バイオリン：丸山美里(C.M.C)
ギター: 中村天佑
ベース：宮下智
サウンドプロデューサー: 濱田智之
Ａ＆Ｒ: 濱田智之
セールスプロモーター: 藤本徹、高橋克典、外崎剛
アーティスト・マネジメント: さとう龍乙、増渕めぐみ
レーベル: 5pb
発売日: 2011/08/03

PV(YouTube)

レビュー

　今井麻美が自身の代表曲と語る「シャングリラ」の後継曲。前作が「逢いたくて逢えなくて」「この想いキミへと届け」の叶わないかもしれない希望にすがる曲だったのに対し、今作は「花の咲く場所へと僕らは歩き出そう」の希望を創り出そうとする曲。同じホラーゲームの主題歌で、曲の雰囲気も統一されているにも関わらず、ここまで大胆に力強くなれる。前作の存在があるから、この「花の咲く場所」の存在がより一層強いものになる。

　この曲のキモは何と言っても2番と大サビの間の「ねぇもしも〜」の箇所。今井麻美のハイトーンには、水樹奈々や高垣彩陽といった実力派でさえ持っている地声での「限界まで頑張ってます感」がない。まったくつらそうな素振りを見せずに、力強く歌いきってしまう。この点において、歌手活動の盛んな昨今の声優業界を見渡しても今井麻美の右に出る者はいないでしょう。

　作詞は森由里子。JUSTICE of LIGHTやSunrise!のレビューでも絶賛していますが、今回も力強い詞です。今井麻美とはアイマスの「蒼い鳥」でも組んでいますが、このタッグが再度実現した背景はファミ通のインタビュー参照。この2人を再度引きあわせたグッジョブな濱田Pこと濱田智之の作曲も、いつもと比べて力強いものになっています。

　伊藤俊は、今井麻美作品では「Shining Blue Rain」でも編曲を担当しているアレンジャーさん。楽器に注目すると、MusicClipではシモンズのドラムが使われていますが、実際は打ち込み。コーラスとバイオリンのクラシカルな音に加えて、このドラムと、ベースにエレキギターのデジタル・バンドサウンド。いまやアニソン界隈ではありふれた音ですが、ホラーゲームの主題歌であることがこの曲のアイデンティティ。濱田智之の曲はフレーズの区切りが明確で、ゆったりと進んでいきますが、森由里子の詞も、決して詰め込まない。インパクトのある単語を並べるよりも、大切なことをしっかりと言い切る詞。それを今井麻美がスッキリとした声で歌い切る。なんという洗練された音楽でしょう。この3人の組み合わせがこれほどまでに相性抜群だったとは。

　今井麻美の歌声を知って以来、色んな曲を聴いてきましたが、キャラソンを含めて、今井麻美の歌ってきた曲の中でも最強のパワーを持っています。『BLAZBLUE』のツバキ・ヤヨイ名義での「Condemnation Wings 〜Cry Camellia」もかなり力強い曲ですし、その底知れないハイトーンを堪能できる曲は5pbの本人名義での歌手活動でも多数歌っていますが、その両方を兼ね備えているこの曲は文字通り、最強です。

　この強さは、「ホラーゲームを打ち破る強さ」なんです。前作ではしっかりと「ホラーゲーム」を表現してみせ、今作はそれを食いにかかった。この姿勢にしびれるんですよね。しばしば主題歌は「作品に合わせるものだ」と言われがちですが、そんな消極的な姿勢ではいい主題歌は生まれない。大事なのは、本編に勝ってやるという気概です。

　人によって思い入れのある曲、大好きな曲は別にあるでしょう。僕は「目が逢う瞬間」が好きだし、「月下祭」が好きだという人もいる。「COLOR SANCTUARY」が好きな人もいるでしょうし、「Sの人たちは嫌だ」が最高だという人もいるかもしれない。あさみのうた「ネコみみでコミケ」が至高だと言ってきかない人もいるかもしれない。巧いこと、凄いことはその曲を好きな理由にはなり得ない。それでも僕がこの「花の咲く場所」を素晴らしいと思う理由は、聴き心地もさることながら、この曲そのものが持つ強さに他ならないのです。率直に言って、今井麻美のこういう歌がもっと聴きたい。強く、清らかで、真っ直ぐ空を突き抜けていくような歌が・・・

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