メロスのように-LONELY WAY-[AIR MAIL from NAGASAKI]のレビューと歌詞、カラオケ配信状況
カテゴリ: [蒼き流星SPTレイズナー][1980’s作品][AIR MAIL from NAGASAKI]
タグ: [リアルロボット][レビュー][カラオケ][情報][AIR MAIL from NAGASAKI][メロスのように][秋元康][レイズナー]
収録CD
8cmシングルCDなどもありますが、やはりこのCDを抑えるのがベストな選択でしょう。
「スーパーロボット魂」に収録されてるのは影山ヒロノブ版なので注意。
キングレコード (2009-11-26)
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背景
TVアニメ「蒼き流星SPTレイズナー」オープニングテーマ。
地球は、狙われている!
データ
歌手: AIR MAIL from NAGASAKI
作詞: 秋元康
作曲: 中崎英也
編曲: 若草恵
レビュー
刻はリアルロボットアニメ全盛期。1985~86年の作品。
スポンサーの都合で、酷い打ち切り作品となってしまったものの、スパロボの影響や、
主役機「レイズナー」の格好良さもあって、この曲が好きだという人も多いんじゃないでしょうか。
ゴステロマニアの方とかも(笑)
まず感じるのが、ものすごい80年代臭!
それは、いかにも秋元康らしいキザな歌詞であり、
AIR MAIL from NAGASAKIの、特徴的な声による淡白な歌唱。
(雰囲気は、あえて挙げるならC-C-Bが近いかな・・・)
(C-C-Bより淡白ですし、あんなデジタルサウンドでもないですけど)
(近藤真彦とかも、このテの歌手でしょうか)
タ!タ!タタタタタン!というドラムによるイントロ。
OP映像では、タイトルロゴの「SPT」の文字と共に、
80年代の、ちょっとゴツ格好いいメカニックの臭いを感じさせます。
全体的には、生暖かい温度を感じないでしょうか?
ドラムもギターも、ヴォーカルも。
(ベースだけは、いい硬さを保ってますね。これがまた、格好いい!)
リアルロボットアニメソングにおいて「宇宙」を表現するにおいて、
この"生暖かさ"というのは、重要なキーポイントだと思います。
「機動戦士ガンダム0083」の「THE WINNER」は、このテの曲の中では
最高峰に君臨していると大鋼は考えていますが、あの曲もこういう温度を持っている。
「メロス」が影響を与えたという可能性も、あり得ます。
(イントロの構成しかり、ですね(´ー`))
メイン・ヴォーカルの野下俊也(野下十支也)の声。
表現が難しいですが、"彫りが浅い"・・・というのでどうでしょう。
声優で言えば、同時代にブレイクした矢尾一樹もこの表現にシックリきます。
「音の起伏」という意味で、影山ヒロノブ版との比較が面白いですね。
かたや、平らに整備された高速道路のアスファルト。
かたや、歩くことさえ困難な、火口の荒れた岩盤・・・
歌唱力があるのは明らかに後者なのですが、
それが音楽としての面白さに比例しないのが面白い。
先述の"生暖かさ"の一旦を担っているのも間違いなく、
そんな彼の口から出る、秋元康の詞は、甘ったるいことこの上ない。
「僕」という一人称が何度も登場しますが、これも珍しいですね。
この曲は、主題歌であって、主題歌ではありません。
歌詞は、アニメの内容に沿っているとは思えないラブソングで、
近年のアニメに多い"アニメの雰囲気に合わせている"イメージソングですらありません。
(その点、同じく1985年に放送された「超獣機神ダンクーガ」と同様ですね)
ただ、この曲は上述の通り、宇宙を思わせる空気を持っているんですよね。
なだらかな曲線ではなく、武骨な直線が近未来のメカニックだった時代。
そんな価値観を、渋くて硬派な歌手でなく、
ナウでポップな歌手が音楽で表現した。
その結果は、不必要な熱さのない、サイバーなスペースSFの世界。
これを、ここまで見事に表現した曲は、そうそう存在しません。
アニメと関係ない歌詞にすることで、アニメにマッチした曲が生まれる・・・不思議ですよね。
(ただ、レイズナーも後半は「北斗の拳」と影響を与え合ったりと、)
(かなり硬派なイメージがありますけどね・・・)
強く思うのは、こういうヴォーカルが、2008年現在ではすでに絶滅してしまっている。
カラオケの普及で日本人の歌唱力は底上げされただろうし、
時代は、とことん上級志向・・・とでも言えばいいのか。
半端なパフォーマンスでは、相手にされなくなっている。
名の知れた芸能人や、よほどビジュアル的にもてはやされそうな人なら話は別ですが。
でも、この曲が好きな人は・・・もっと極端なことを言えば、
「仮面ライダーBLACK」が好きな人は、わかってるはずですよね。
上手さは長所かもしれない。けれど、テクニックを使わない・・・あるいは使えないということも、
たまらない長所になり得るということ。
(歌手側からすれば、そういう評価はされたくないかもしれませんけどね)
ようは、ヴォーカルを含めたバンドメンバー全体で、どういう表現をするのかが重要なんです。
・・・いや、なんかすごいヘタみたいに書いてますが、ヘタではないのですよ!
上では書きませんでしたが、コーラスとのハモりも、かなりきれいですし!
「淡白」と「ヘタ」は違うのです。(これだけは書いておかないと。)
ただし、その区別ができずに、こういう歌手を低く評価する人は、きっといるでしょう。
それが哀しいのですよ(´~`)
処方箋(個人差があります(´ー`))
格好いい曲なのですが、とにかく"力み"がありません。
聴いていても疲れることがないであろうこの曲は、
色んなシチュエーションにマッチしそうですね。
あえてキーワードを挙げるなら、「夜空」と「走」でしょうか。
じっくり聴き込むより、サラっと聴き流したい曲です。
どうでもいい余談
OPでは、毎週サビの前に、その週の話のワンシーンが流れるんですよね。
サビの前の「ジャ・ジャ・ジャン!」の印象が
強烈に残っている人も少なくないはず。
大鋼はビデオで見たのですが、ル・カインの
「私が来たからには、グラドスに刃を向ける者達も、
私の足元に血まみれの身体を横たえることになろう・・・」
なんてセリフを丸暗記してしまうほどハマってました。
「者達も、」の「、」が特徴的なんですよね!(難解)
当時は、塩沢兼人と言えば、ブンドルやル・カインの印象ばかりで、
J9やバルディオスなどで主人公の声をやっていたなんて想像すらしていなかったなぁ・・・
あと、「仮面ライダーSD」のシャドームーン(笑)
もっとどうでもいい余談
2008年4月現在、アイドルマスターのMADで「レイズナー風」というのが
流行ってるようですね。アイマスでロボアニメのカバーアルバムが出てたやつで、
あのワンシーンの部分を・・・というやつ。全然知らなかった。奇遇だなぁ(´ー`)
歌詞
メロスのように-LONELY WAY- AIR MAIL from NAGASAKI - 歌詞タイム
試聴
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カラオケ選曲No.(2008/04/27時点)
DAM: 6700-55
JOY: 23424
UGA: 6005-99