Hazy[スフィア]のレビューと歌詞、カラオケ配信状況
Hazyとは
2011年(平成23年)春・夏TVアニメ『花咲くいろは』EDテーマ。
スフィア7thシングル。
ユニットブームの真っ只中で感じる、自然体の余裕。
データ
歌手: スフィア(寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生)
作詞: 坂井季乃
作曲: 黒須克彦
編曲: 黒須克彦
ギター: 山本陽介
ドラム: 玉田豊夢
プロデュース&ディレクション: 伊藤善之(ランティス)
プロデューサー: 櫻井優香(ランティス)
A&R: 佐藤和孝(ランティス)
チーフプロモーター: 松村起代子(ランティス)
プロモーター: 鈴木めぐみ、太田淳(ランティス)
セールスプロモーター: 佐橋計、臼倉竜太郎(ランティス)
アーティスト・マネジメント: 宮本朋律、中林太郎(ミュージックレイン)
レーベル: GloryHeaven(ランティス)
発売日: 2011/05/11
補足: ギター/ドラムは黒須克彦のブログがソース。
レビュー
「今までのスフィアとはまた違って、ナチュラルなんだけどすごく大人になったような。。」 by 戸松遥
2011年春、声優業界にユニットブームの波がどっと押し寄せてきました。LISPやゆいかおり等昨年からいたユニット以外に、天下取り隊やRO-KYU-BUなどアニメ限定ユニットが発表されています。そんな中、先駆者であるスフィアが放った1曲がこのHazy。
感じるのは、大人の余裕ですよね。これまでのスフィアでも「風をあつめて」等、爽やかで落ち着いた曲はありました。しかし、あの頃はまだ少女のイメージ。歌い方にも可愛らしさが見られました。ところが今回は、自分たちの魅力を過度にアピールすることもなく、極めて自然体。アイドルユニットに強く見られるギラついた感じが一切無い。それはブックレットにも表れていて、1ページ目を開いた時、霧がかったところに4人の足だけが見えている・・・これはもう、完全に「余裕」ですよね。あるいは「気品」とも言えましょう。
Aメロは1番が高垣・豊崎のソロ。2番が寿・戸松のソロ。ここで4人の個性を魅せるのは定番スタイルですが、昨年までスフィアでも自身のソロ活動でも硬めでストレートな歌唱で攻めていた戸松が、より柔らかさを出してきています。「Spring is here」の2番Bメロでの豊崎と2人のパートには惚れ惚れしましたが、より「歌手・戸松遥」の幅を拡げましたね。ただし、キャラソンでは以前から柔らかい歌唱もしており、成長というよりは解禁と呼ぶのが適切でしょう。
爽やかなスフィアらしさという軸をキープしつつも、この1年間様々な挑戦をしてきました。パワフルなロックサウンド「REALOVE:REALIFE」、リズミカルなBメロが印象的な「Now loading...SKY!!」、デジタルで、情熱的で、女性的で、アニメソングのいいところを濃縮した「MOON SIGNAL」、そして「Spring is here」・・・新しい挑戦には背伸び感がつきまといがちです。スフィアはそれをCDをリリースするごとに小さくしていき、「REALOVE~」の頃の"頑張ってみました感"は、とうとうこの「Hazy」で鳴りを潜めてしまいました。「この程度の成長は、造作も無いこと」と言わんばかりに・・・
歌手とは何か・・・ということについて2通りの考え方があって、一つは声という音色を奏でるバンドの一員。もう一つは表現者。どちらも重要な要素であることは確かですが、これまでのスフィアの曲は4人にそういう役割を強く要求しないものだったと思います。「歌ってるスフィアを魅せる曲」で、アニメ主題歌としては雰囲気を合わせている程度・・・それが、少しずつリスナーに想いや世界観をぶつけてくる方向にシフトしてきています。声優として既に備えていた、後者の一面を解禁してきているのです。
さて、この曲は『花咲くいろは』のED。「Hazy」とは「もや」の意。作詞の坂井季乃は、nano.RIPEのきみコ(Pick-up Voice 2011年7月号、この曲同様、作詞:坂井季乃、作曲:黒須克彦の「つまさきだち」をリリースした伊藤かな恵のインタビュー参照)。未知の世界・喜翆荘で、その元気、勢いを以てしてストーリーを進めていく緒花が見る、ぼやけた過去と未来。このアニメは、昨年『AngelBeats!』でヒットを飛ばしたP.A.WORKS作品で、放送前から話題性が強かった作品ですが、その雰囲気を作っているのはOPであり、ED。主題歌です。本編は、お色気シーンがあったり、ブッ飛んだギャグがあったり、恋愛もあれば、「仕事」というテーマと対峙するシーンもある、そう落ち着いた雰囲気のある展開ではありません。でも、そんな作品に不変に存在しているのが、地方独特ののどかな風景と、喜翆荘の木造建築、そして豆爺。そんなおおらかな空間の中で躍動する緒花を表現したのがOPであり、EDは息を切らして走っている緒花を詞で、そんな緒花をとりまく空間そのものを曲で表現しているように感じます。
その象徴とも言えるのがBメロ。曲においても、ED映像においても、一番のインパクトであり、一番のやすらぎの瞬間であり、AメロとCメロ・・・サビをつなぐ短いコネクションでありながら、曲全体を通して一番印象に残る箇所。橋の上で夕日を見ながら微笑む緒花、菜子、結名・・・そして一人背を向けるみんち。この絵を見せたいがためにこの曲が存在していると言っても過言ではないでしょう。そしてこの絵もまた、「Hazy」無しに語ることはできないのは言うまでもありません。
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どうでもいい余談
PVの寿美菜子がいつもにも増して美人なの、気のせいでしょうか。これまでとどこがどう違うとかは解りませんが、垢抜けたなぁ・・・という印象。世間では団地妻なんて呼ばれてる彼女。でも、今や正統派の女優顔だなー、と今回は感じちゃいました。
歌詞
カラオケ選曲No.(2011/06/15時点)
DAM: 3365-09
JOY: 108216(本人映像: 700935(配信期間: ~2011/09/04))
UGA: 6862-78(本人映像のみ)(無印UGAでは配信未定)