君は、帰ってこれるか?夏色キセキ 第12話(最終回)「終わらないナツヤスミ」感想
ネタバレ抜きの序論
終わった・・・
本編感想
優香「さぁ、最後も気合いれていくよーっ!!!」
優香「ぜっこ~!」
優香「ぜっこ~!!」
優香「絶・好・調〜!!!」
凛子(優香、最後だからって張り切りすぎ・・・)
とうとう最終回。「ループもの」という言葉が当たり前のように使われていることが示しているように、ここ数年のアニメを見ていても、『シュタインズ・ゲート』しかり『まどか☆マギカ』しかり、記憶の引き継ぎがないという違いこそあれど『涼宮ハルヒの憂鬱』の「エンドレス・エイト」しかり、同じ時間を何度も繰り返すという話は珍しくありません。・・・しかしまぁ、願いが引き起こすトラブルという点に置いて、ラスボスに相応しいキセキではあります。
4人同様記憶を引き継いでいたわけではないでしょうが(そのミステリアスな佇まい故、断言はできませんが)、事態をおよそ把握していた凛子のママ。そして凛子ママの様子からすぐに察する夏海の母。おそらく御石様に触れていたであろう過去の2人を主人公にしたスピンオフ作品・・・なんてのは、流石にないかなぁ(爆)
終わらない夏休みを満喫する優香、それに夏海・凛子。引っ掛かりを覚えながらも一緒に楽しむ紗季。それは単に「これでいいのか?」という思いだったろうと思いますが、凛子ママの言葉で、ループから抜け出なくなっている、という事実にようやく辿り着く。
紗季の「終わらないものは思い出になってくれない」というのはこの『夏色キセキ』という作品の最終回に相応しい名言ですが、実はループしている間の出来事が、視聴者である僕にとってもあまり語りたいと感じるものではありませんでした。終わらない時間の中では心揺さぶられるような感情の動きもない。
そんな惰性から抜けだした先には別れが待っているわけですが、そこに涙を持ち込まなかったのはこの作品の持つ爽やかさ。スフィアらしさでもあります。何か大きな成長があったわけでない、4人の少女がキセキとともに過ごしたひと夏の物語。毎週楽しみに見させてもらいました。たった一つだけ最終回が淡白だったとしても、この12週間は僕にとって素晴らしい期間だったことは間違いありません。
今週の花木優香
他の3人がダメだと言っていても「終わらない夏休み」を真っ先に使い始める優香。ワガママなようで実は一番周りのために動ける・・・でも、やっぱり自分の欲望には正直な優香。それでも御石様の力とサヨナラする時には真っ先に手を当てたりする。おそらく・・・優香の中にも葛藤とかが存在すると思うのですが、それを一瞬で処理しちゃうスピードの持ち主なんじゃないかな、と思うんですよね。だから周りから見れば、まるでポチッとスイッチを切り替えたように映ってしまう。
上に載せたダンス終了直後の横顔・・・目を見開く刹那を切り取ったものですが、色々なものが優香の中で終わった・・・と見ることもできる表情ですよね。その直後、審査員の目もはばからず大喜びするわけですが・・・その切り替えの速さから、優香という人物が、シンプルなようで実はものすごく深いキャラクターに思えてくる。(結果的に夏休みは終わらなかったにせよ)うまく行けば、紗季との時間が終わる。最初に失敗した時とは逆なんですよね。
夜の神社で「わたしは堪能したー!」と断言しました。夏海や紗季も、視聴者も「そりゃそうだろ」とツッコむところですが・・・翌朝花木屋で凛子に手を振る優香の表情。「夏休みを堪能した」ということと「紗季との時間を堪能した」ということは同義。優香が見たまんまのバカであるなら本音でしょうが、そうは思えないな・・・
神社の立札を正面向きに加工してみました。みづらいですが、立札自体は新しいもので、江戸時代に、この巨石を削って石碑など色々作られた的なことが書いてありますね。キセキの謎の迫れるようなことは書いてありません。
7/25にサントラ、ドラマCDが発売されますよー。
夏色キセキ オリジナルサウンドトラック
TVアニメ 夏色キセキ ドラマCD