DAIMONZI-X

声優/アニソンレビュー&CDデータ語り  

最終回に大事なのは「報い」。2017年夏アニメ視聴録11週目[09/10-09/16]

2017年09月24日 17:32 更新                  
カテゴリ: [アニメレビュー]

視聴アニメリスト

  1. 天使の3P! 9話
  2. ナイツ&マジック 11話
  3. 異世界食堂 11話
  4. サクラクエスト 24話
  5. Re:CREATORS 22話 [最終回]

はじめに

 順番は配信/放送日順です。評価は☆の数で5段階評価。

天使の3P! 9話

視聴メディア:dアニメストア

 やはり、花澤香菜のキャラはああじゃないとな!かつて彼女を一躍スターに押し上げたすましたロリ声もいい。絶品。しかし、あのチキン声での荒ぶりこそが真骨頂。いやはや、久々に花澤香菜を堪能できました。

 島太鼓とのコラボということで、珍しくそらがドラムを叩かずセンターヴォーカル。EDとは違って、ちゃんとそらの声でしたね。いい雰囲気のいい曲になったと思います。

 ところですんげぇ今更なんですけど、潤って影薄いですよね。ライブでは中心人物って感じですが、希美とそらが自己主張強いタイプなだけに・・・潤の大人しさが印象的に描かれているならよいのですが、単に目立たないだけになっちゃっていますよね。それ故、せっかく耳が良い設定を掘り起こしても面白いシーンにならない。

評価:☆☆☆☆☆

ナイツ&マジック 11話

視聴メディア:dアニメストア

 エルくんにとって、初めての「強敵」と呼べそうな相手ヴィーヴィル現る。いかにもラスボスって感じですね。それにしても、今回はいつもにも増してエルくんがかわいい。黒いところも含めて。エレオノーラとキッドも前にも増して微笑ましい。

 ・・・そう考えると、このアニメのメインヒロイン?のアディの存在感の無さは凄まじいですね。エルくんがシルエットナイトに夢中であるが故に、ある意味で正解です。キャプ翼みたいに脈略なく異性愛に目覚められても困る。が、アディに報われて欲しくもある...

評価:☆☆☆☆

異世界食堂 11話

視聴メディア:dアニメストア

 カルパッチョとカレーパン。クロ、とうとう普通に喋る。

 東山奈央演じるイリスは、ババ臭い髪型でも声だけでかわいくなってしまう。声優の力量って「演技力」と「声質」の2つを軸に考えがちじゃないですか。でもキャラクターを魅せるのに一番重要なのは声の表情だと思うんですよね。この表情作り、特にポジティブな感情の表情作りが抜群に上手いのが東山奈央。悪く言えば営業スマイルなんですけどもね。僕がこれまで印象に残ってる、表情づくりの上手い声優と言えばやはり伊藤かな恵。あと、あまり演技力の評価が高い人ではないですけど、上坂すみれは今作でかなり頑張っていると思います。まぁ、「おいしい」の表情は作りやすいのかもしれません。

評価:☆☆☆

サクラクエスト 24話

視聴メディア:ニコニコ動画

 上がり続ける婆さん達の由乃株。誕生日おめでとう。そして、絵面は超地味ながらも住民たちは凄く楽しそうだったみずち祭。更にまさかの海外との姉妹都市話。爺さん死ぬなよ。この作品のノリだと、暗くならないような死をオチに持ってきそうな予感がちょっとあるんですよね。まぁせめて、やりきって欲しいとは思うけれども・・・

 それにしてもこのアニメ、今起こっている出来事を真希の舞台で再現するの好きですよね。回を追うごとにわかりやすくなっている気もしますが、気づかない人は最後まで気づかないのかなぁ・・・

評価:☆☆☆☆

Re:CREATORS 22話 [最終回]

視聴メディア:BS11

 不満はあります。個人的には、ご都合主義でも何でもいいから「現界した」アリステリアをフォローする何かがあって欲しかったし、非道そのものだったアルタイルに何らかの報い、それができぬなら贖罪に近い何かは欲しかった。こういう引っ掛かりを持ったまま終える最終回というのは僕は良い評価をできません。あと、皆思ってるでしょうけど、まがねも(爆)

 僕としては一番感情移入してしまうのは高良田なんですよね。これまでにも書きましたが、セレジアは自分の意志でケリをつけた。アリステリアは何も救われること無く散った。精神的追い打ちさえあった。それは単なる死ではない、物凄く胸クソ悪いストーリー。それを見てしまった以上、作中の観客たち、さらに言えばまりねまでがアルタイルとセツナのシーンに感動していたことに苛立ちを覚えずにはいられなかった。あんなに仲良くしていたセレジアが散って、そんな中で直接手を下したわけではないにせよ、悪党のハッピーエンドをどうして受け入れられるのか。

 たった一人だけ、そんな僕の気持ちを鎮めてくれたキャラがいます。中乃鐘。彼だけは「悔しさ」を言葉にしてくれた。絵の見せ方の問題もあるでしょうが、高良田にせよ松原にせよ、アリステリアとセレジアの死への「悲しさ」しか描写されていなかったように見える。そこに怒りなどが微塵も見えなかったことに余計にモヤモヤさせられていたのですが、中乃鐘だけは違ったんです。それはシナリオライターとしての悔しさであって、アルタイルの非道に一方的にやられたことに対する悔しさではないのかもしれないけれど・・・

 あと、個人的には、松原は主人公であるカロンがあんな情けない奴になっていたことに対してもっとショック受けていいと思うんですよね。チャンバー・フェス開始前まではあんなにクリエイター根性を感じるキャラだったのに・・・

 ・・・と、ここまでネガティブな文句を書いてきましたけど、アルタイルとまがねを登場させなかったことについてポジティブに考えることは可能です。それはアルタイルのその後なんかよりも、生き残ったキャラ達の、元の世界に戻るまでの日常を描くことの方が大事なんだという脚本の姿勢。これはまったくもって大正解です。彼ら彼女らに時間を割いてくれたことは嬉しい。そういう意味ではカロンへの言及がなかったのも仕方ない。それにしても、鹿屋瑠偉というキャラクターは最初から最後までアッサリしていたなぁ。弥勒寺やひかゆ達が創造主との別れをしっかり描かれていたのとは対照的。

 序盤から中盤までこの作品のキーキャラクターであり続けながら、チャンバー・フェス開始後は脇役にまわったメテオラ。もっともっと見たかった今作の日常シーンで一番光っていたのも彼女でした。今回も食いしん坊キャラが炸裂していたし、元の世界に戻らなかったのも「らしい」いい結末だったと思います。

 全体的にキャラの掘り下げが全然足りなかったのは間違いない。もっともっと面白くできた作品だと思います。脚本を叩いていた人達も、そんな素材の良さを感じていたからこそ不満を持っていたんだろうと思いますし。全22話トータルで見て、ここまで満足できた作品がそうそうないことも事実。この作品はつまらなかったんじゃない。ただ、終盤に悪党の理不尽がまかり通ってしまった。因果応報の無い結末はスッキリできない。いや、アルタイルが報いを受けることなんかよりも、アリステリアとセレジア、まみかが報われることの方が遥かにスッキリするのですがね。

 BD/DVDの売れ行きはあまり良くなさそうですが・・・劇場版があったら見たい作品。尺不足で、やりたいこと全部やれなかったとしか思えないですし、TVで埋められなかった穴を埋める機会を与えて欲しい作品。それか、OVAでアリステリアとまみかのコラボ作品とかどうでしょ(爆)

評価:☆☆☆

あとがき

 『レクリエイターズ』終わりましたね。最終回ということで、長々とまとまりのない文章を書きました。前々から、この記事を書くしんどさをこの「あとがき」に書いていますけど、書く以上はテキトーに流すことはできない。いや、作品がそうさせてくれないんですよ。今回、あまりいい評価はしていませんが、それでも作品に関する様々なことを論じたいと思わせる作品であることは間違いないんです。そうでない作品は、面白くても、胸糞悪くなくても、テキトーにしか書けないんです。今期で言えば、『レクリエイターズ』と『サクラクエスト』はつい文章が長くなってしまいますが、それ以外の作品は評価は高くても文章は淡白。それは面白いかどうかではなく、考えさせられるかどうか。そういう意味では、むしろ完璧でない作品の方が語れる作品、ということなのかもしれません。

CHARACTER OF THE WEEK
中乃鐘昌明(杉崎亮)

 被害者でない故かもしれないけれど、一番温和な彼が最後にファイティングポーズをとってくれたことが、今作の最終回における救い。まぁそれ抜きにしても、地味ながらいいキャラでしたよね。お疲れ様。

   
カテゴリ: [アニメレビュー]