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僕と、遠藤ゆりかと、愛梨チャンストライク。[後編]

2018年06月10日 03:15 更新                  
カテゴリ: [遠藤ゆりか][雑報]

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はじめに

 ゆりしぃに人生を動かされた人間のお話です。前編を未読の方は、まずそちらから先にどうぞ。
・・・今のうちに書いておきます。この後編は、前編とは全く異なり、途中から自己顕示欲が振り切れてブッ飛んでいます。もだえながら、どうか最後まで!(爆)

BGMにアルバム試聴動画をどうぞ。

遠藤ゆりかとの対面 -愛梨チャンストライク-

 リリースイベントの当日、僕は予約していた新幹線の指定席に座ることができませんでした。ギリギリで家を出て、新幹線の切符を忘れて家に取りに戻っていれば、間に合うはずもない。追加で約6000円を払い、1時間後の新幹線の自由席に。イベント開始に間に合うかどうか、その時点では微妙なところでした。結局、東京到着後、昼食も摂らずに走り、駅で迷い、走り・・・何とか間に合いました。が、開場に入れるのは先着順。会場内では、僕は右端の最後列に陣取っていました。

 ステージに上がった遠藤ゆりか。しかし、オールスタンディングのトークショーの最中はかろうじて首から上が見える程度。視力があまりよくない僕には顔も満足に見ることができませんでした。残念と言う他無い・・・ただ、結果的には新幹線に乗り遅れたことで、僕の中で「遠藤ゆりか」が「ゆりしぃ」に変わっていく決定的な情景を目撃することになったのです。

 トークショーが終わり、その後、ポスターのお渡し回に移行。そこで僕が見た衝撃は・・・Wednesdayさんのレポート漫画の内容が全てです。

 優しい。ただひたすら優しい。感極まって涙する女性ファンには頭をなでたり、ハグに近い感じでタッチされてた人もいましたね。あの場にいて無難な対応をされた人間など、ただの1人もいなかったでしょう。後ろの方にいたために順番が遅かった僕は、かなり長い間その光景を、ファン一人一人に対して真摯に接し続けるゆりしぃを見続けることができたのです。そして、自分が何を話すか考える時間もありました。おそらく最初の方だったら、どうでもいいようなこと言って終わっていただろうな・・・今朝新幹線乗り遅れましたーとか、そんなんで終わっていた可能性は高かったです。

僕が選んだ言葉と、それに対する反応。

大鋼「愛梨チャンストライクを撃ち続けて、はや2年近く・・・」
遠藤「愛梨チャン スットラ~イク!」

 ・・・見事に打ち貫かれました。今思えばコミュ障丸出しだったな・・・と思います。が、セリフをお願いすることが禁止事項だった中、我ながらよくぞその単語を口に出したと、今は当時の自分を褒めてあげたい。

スタッフ「はいありがとうございました~」
大鋼「こないだ収録した最後の曲、待ってます」
遠藤「待ってて!」

 一字一句は覚えていないから、えらく淡白な会話になってしまっていますが、去りながらそう言った僕を追いかけるように、両手のこぶしを上げて(ファイティングポーズみたいな感じで)「待ってて」と言ってくれた。嬉しかったなぁ・・・

 ただ、この時点でもまだ「いい思い出になった、会えて良かった」ぐらいにしか思っていなかったのです。僕が彼女に完全に打ちのめされたのは、翌日東京を発った新幹線の中で見たツイート。

 このツイートが何を意味するのか。この日より2週間ほど前のツイートも合わせて見てみましょう。

 ・・・何ということだ。前編で書いたとおり、僕はライブチケットを掴むことができなかった人間。しかし、ロクに知識も無い癖に「映像化したら嬉しいけど、流石に無理だろうなぁ・・・」などと早々に諦めてしまっていたのです。でも、ゆりしぃはそんな僕みたいな人間のために動いてくれていた・・・いや、実際のところライブに参加した人だって映像見たいだろうし、自分自身記録として残しておきたかっただろうけども、ともかく僕の熱は上がるところまで上がってしまった。「このゆりしぃに、ゴメンナサイを言わせるわけにはいかん・・・」。そう思ってreplyを書いたのです。

 嗚呼もう・・・「需要の激流」とか書いちゃってるよ自分・・・必死だったんだな。でも、このゆりしぃのツイートには1000件以上のreplyがついていて、僕と同じようにチケットを取れなかった、あるいは行くことができなかった人達の思いが込められていたのが読んでいて伝わってきて、これはもう、物語なんだ。ハッピーエンドにしなきゃいけないんだって強く思ったのです。もう完全に酔っ払ってますよね。しかし、そこに確かに存在した需要の激流に身を投じた結果、ライブ前日に奇跡は起こりました。

 物語はハッピーエンドを迎えた・・・!僕の感情の高ぶりは頂点に達していました。ライブに参加できない僕にとって、間違いなくこの瞬間がピークだったのです。たかが全体の1000分の1かもしれないけど、それだけで何て達成感・・・

ゆりしぃとの別れ -Emotional Daybreak-

 ライブ当日、僕はいつものように仕事をしていました。ライブ中は自宅で「今頃どうなっているだろう・・・リフレイン・ウォーズ歌ってるといいなぁ・・・」なんて健気に素晴らしいライブになっていることを祈りながら、ゆりしぃのイラストを描いていました。時が経過し、時刻が22時に近づいたあたりで、このライブが途方も無くエモいライブになっていることが確信できた・・・が、その様子を想像すると同時に、僕の心が唐突に崩れだした。

 「・・・僕は、全てを振り絞ってライブに挑むゆりしぃの最後の姿を見届けることができなかった・・・?」

 何を今更と思うかもしれない。しかし、数時間前に、親心丸出しでライブの成功を願っていた人間は、もうそこにはいなかった。しばらくして、続々と現れるライブ終了のツイート。予想通り、いや、予想を遥かに凌駕する壮絶なライブになっていたことが解る・・・リフレイン・ウォーズも歌われていた。昂ぶると同時にこみ上げる悔しさ。あの時、明らかに僕はライブ参加者たちに嫉妬していた。これまでの人生で経験したことの無かった感情を、とうとう抱いてしまった。そして襲いかかる喪失感。これは、ゆりしぃが引退することへの喪失感ではない。ゆりしぃの引退に立ち会う機会を永遠に失ったことへの喪失感だった。

 ライブ終了までに完成させたかったイラストは完成できなかった。感情がとっちらかって、作品の方向性を決めることもできなかった。ライブの感想を読みふけってしまった。5chのガセネタに絶望的なショックも受けた(引退の理由云々)。午前2時頃、ゆりしぃが明日もツイートすることが解り、ガセネタがガセだとも解り、僕は眠った。

 翌日、僕は前日から引きずる喪失感と同時に、もう一つの雑念と戦っていた。ずっと心の中に沈んでいた、自身のオタクとしてのありようである。

 イラストのために中断こそしていたが、あのリリイベの日から、密かにアルバム「Emotional Daybreak」のレビュー記事の執筆を続けていた。この名盤・・・ゆりしぃの集大成と言えるアルバムを語り、後世に残さなければならない・・・そう思うと同時に、当サイトDAIMONZI-Xが、元々はアニソンレビューサイトだったことを思い出したのだ。いや、思い出したのではない。「いずれまた再開しよう」と、ずっと思っていた。そう思い続け、過ぎた年月は・・・6年。最後にレビューを書いたのは、ゆりしぃがデビューする前の話だ。それほどの長い年月、僕は眠っていたのだ。

 自分はどうなりたいのか・・・まず、オタクでありたい。消費するだけのオタクでありたくはない。アニソンを聴きたい。アニソンを語りたい。素晴らしいけどマイナーな楽曲が時の流れと共に風化しても、ある時ふと曲名を検索すれば僕の書いたレビューが出てきて、懐かしむことができる・・・そんなサイトを作りたかった。絵も描きたい。好きなものを好きなだけ描けるようになりたい。曲も作りたいし、歌いたい。僕はかつて、そんな野心・・・いや、強烈な自己顕示欲を持ったオタクだったし、実際にそれをやっていた人間だった。今この時、それを取り戻さなくてどうする?このままでは一生消費するだけの人間で終わってしまう。変わりたい。ゆりしぃをきっかけに、変わりたい・・・5年後、10年後・・・「僕が今こうしてオタクとして生きていられるのは、遠藤ゆりかのおかげなんだ」と言わなければならない。

・・・誓いを、立てるべきだろ。

 再びペンを走らせ、イラストは完成した。僕は不器用だから、ゆりしぃの美しさ、優しさを表現することはできなかった。ライブに参加していないから、全てを振り絞る様も描けなかった。体調のために思うように仕事ができず、辞める決断をしたゆりしぃの次の人生が力強いものであることを願って、あのリリイベの日に見せてくれたこぶしを描いた。それも片手だけの中途半端ぶりだが、今の僕のもつ力量、時間ではこれが限界だった。

 「たくさんの感情をありがとう」と書いた。ゆりしぃが見ても意味がわからないかもしれないけれど、僕はリリイベの日から別れの日までの、ほんの1週間ちょっとの間に、彼女から本当にたくさんの感情を貰った。嬉しさ、達成感、喪失感、嫉妬・・・そしてその根底にあったのは恋心だったと思う。いずれも、長らく僕の人生から消えていた感情、あるいは初めて抱いた感情だった。あの日食らった愛梨チャンストライクは、2週間経った今もまだ僕の心に刺さったままだ。刺さったまま生きていくのも悪くないのかもしれない・・・が、そんな女々しさを引きずる自分でありたいとは思っていない。

 ゆりしぃの最後のツイートから1週間が経過した。もう嫉妬心は無い。あるのは喪失感と、誓いだけだ。いずれ喪失感も消えるだろう。7月発売の「声優グランプリ」のインタビュー、dアニメストアで配信される予定のライブ映像、そしてあの日「待ってて」と言ってくれた最後の曲・・・これらは健康な心で楽しみたいと思っている。そして、それらについてじっくり語りたい・・・そう思って、います。

 ゆりしぃへの最後の挨拶。読んでくれているかはわからないけれど、正直な気持ちを書きました。理由を抱えて辞めていく人間に対してこれを言うべきではないのかもしれないけれど、正直に気持ちを伝えること、声をあげることの大切さを教えてくれたのは、他でも無いゆりしぃです。もしも音楽が好きであり続けるなら、いずれまた歌いたくなったなら・・・その時は周りのことなんて考えなくていいんだ。ゆりしぃが誰からも愛される人物だったことくらい解る。あの関係者席に座っていた大勢の人達含め、これまで関わってきた人達が、貴女の再挑戦を応援してくれるはず。その時こそは、遠藤ゆりかの全てを僕の目の前で絞り出してもらおうか!

あとがき

 ここまで読んでくださり、ありがとうございました。長かったでしょ、キモかったでしょ(爆)前半と後半のノリの違いを自分で読んでて、「自分すげぇにわかだったな~」と改めて思っちゃいました。2016年から入ったけれど、自信を持って彼女のファンになったと言えるのは最後の1週間ですね。リリイベに行っていなければ、僕は何も変わらずこのまま消費するだけのオタクで人生を終えていたかもしれませんし、もしライブに参戦していたなら、満たされてやはり何も変わらなかったかもしれません。あの時の狂おしい嫉妬心、喪失感が無ければ、この記事もテキトーに書いて、完成することなくお蔵入りしていたかもしれません。そういう記事が沢山あるんですよ、昔から・・・。なんせ完璧主義者な癖に完成させることができないんです。

 最後の挨拶はまぁ・・・彼女の夢に音楽がまだ残っているのなら、のお話です。だけど、ライブの映像化もそう、最後にtwitterを消すことをやめたこともそう、ポジティブな心変わりで何度も皆を幸せにしてくれた人だから、またステージで歌いたくてウズウズしていることを願っちゃうんですよね。声優にMCにベースにと万能な人であったが故に、やることを絞りさえすれば・・・なんて思ったりもしますが、そこはもう妄想以外の何物でもないので、やめておきましょうか。仮にもう未練が全く無かったとしても、他人の人生設計に口出しすることは許されません。できることは願うだけ。

 当初、アルバム・レビュー記事を書いた後で最後にこれを書いて、彼女への気持ちのケリを付けたかったのですが、気が変わってこっちを先に書きました。先に気持ちにケリをつけて、ゆりしぃではなく、遠藤ゆりかの楽曲をフラットな気持ちで批評しよう・・・と。そっちの方も、完成の暁には読んでいただければ幸いです。6年ぶりの楽曲レビューかぁ・・・本当に、本当にありがとうな。ゆりしぃ。

 最後に、こないだひとカラで歌ってみた「モノクロームオーバードライブ」と「リフレイン・ウォーズ」を晒しておきます。どちらもキー+3。ミスってますし、人に聴かせるようなレベルのものではないですが・・・仕方ないよね!一度暴走した自己顕示欲はそうそう止まらねぇんだ!(2018年7月14日現在、公開終了しています。)現状、ゆりしぃの曲は片手で数えられるほどしか配信されていないから、みんな、カラオケもリクエストしようぜ!そしてガンガン歌おう!

署名のお願い

 さて、前編でも書きましたが、最後にもう一度「お願い」をさせてください。現在、ファンの有志の方々が遠藤ゆりかファイナルライブ円盤化の署名運動を行ってくれています。映像化自体はゆりしぃの尽力があって実現し、dアニメストアでの配信が決定しています。しかし、海外の人達は視聴することができませんし、僕のようなライブに参加できなかった人間も、ライブに参加して目に耳に焼き付けることができた人達も、多くの人が手元に形あるモノとして残しておきたいと思っています。これは、本文で「ハッピーエンド」と書いた映像化の顛末の続き・・・円盤化を以て「トゥルーエンド」とするために、どうか、署名に協力していただけないでしょうか。あなたの力を必要としています。

 facebookをやっている人ならアカウント作成は不要ですし、やってない人も簡単に無料でアカウント作成から署名までできます。6月9日夜現在で、1600人以上の方が署名してくれています。もう少しで、あの時僕が買わなかった「Melody and Flower」の売上枚数を超えることになる・・・

 注:2018年7月14日0時をもって署名活動終了しました。協力してくれた方々、本当にありがとうございました!

   
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