早見沙織 Concert Tour 2019 "JUNCTION" 東京国際フォーラム ホールA (2019/04/29) レポート
早見沙織ライブ初心者による東京公演ライブレポートです。果たして、楽しむことができたのか・・・?
目次
セットリスト
1. Let me hear
2. secret
3. やさしい希望
4. 夢の果てまで
5. Jewelry
6. SUNNY SIDE TERRACE
7. メトロナイト
8. 白い部屋
9. 祝福
10. Interlude forgiveness
11. 星になって (ピアノ弾き語り)
12. 琥珀糖 (ピアノ弾き語り)
13. カーテン (ピアノ弾き語り)
14. ESCORT
15. little forest
16. Fly me to the moon
17. 僕らのアンサー
18. 夏目と寂寥
19. where we are
20. Bleu Noir
21. 温かな赦しアンコール
EN1. eve (バイオリン&コーラス構成)
EN2. 新しい朝
EN3. Bye Bye
EN4. To years letter
バンドメンバー
ベース:黒須克彦
ギター:黒田晃年
キーボード:角脇真
ギター:黒田晃年
ドラム:かど しゅんたろう
バイオリン:日俣綾子
バイオリン:保科由貴
コーラス:川崎里実 (リンクはeyelisのtwitterアカウント)
コーラス:野田愛実
ライブ参加にあたって
早見沙織を生で見た機会は2014年に福井県三国で開催された『グラスリップ』製作発表会のみで、ライブ参加は初。国際フォーラム ホールAでのライブは実に9年前・・・2010年8月のリスアニ!LIVE 2010以来となります。早見沙織同様、2010年代を代表する声優の一人・戸松遥を初めて見た日でもありました。懐かしいなぁ・・・。早見沙織を知ったのも、2人に中島愛を加えたトリオ・ユニットのエクリップスでした。良曲揃いなので、早見沙織の初期のキャラソンに興味があったら聴いてみてください。
さて、今回のライブに参加する動機・・・一度は生で歌を聴いておかないと、と結構前から思っていたんですよ。声優としては前述のエクリップスの頃から注目していたし、今なお好きな声優の一人。歌手としても、1st/2ndシングルの曲が素晴らしかったし、1stアルバムにしても、趣味ドンピシャではないものの、普段聴かないジャズはいいムードだな、と思っていました。ずっと気にかけていたのですが、色々と余裕が無くて、このタイミングになってしまった訳です。
ただ・・・2ndアルバムの方向性にはちょっと面食らったかな(爆)チケット申し込むのも、ちょっと躊躇したくらいです。まぁ、東京に行くタイミングをそう捻出できるわけでなく、せっかくのGW。前日にヤクルト戦も見に行けるし・・・と考えると、やっぱり行く他無いか、と。そんなノリではありますが、早見沙織ほどのアーティストなら、好みを超越したパフォーマンスを見せてくれるんじゃないかな、という期待。好きな歌を聴きに行く、というよりは新しい世界を見せてもらいに行くスタンスです。
ちなみに、今回の席は最前列です・・・2階の。23日前は大阪で叫びまくったので、今回はじっくり「鑑賞」させてもらおうじゃないですか。無論、いい意味でならその予定も覆して貰って大いに結構・・・!
ライブの感想
アルバムのリード曲「Let me hear」で始まるライブ。この曲の雰囲気が好きなんですよ。あのMVの雰囲気も好き。で、あるが故に・・・初っ端から感じたことがあります。
「違う・・・この距離じゃない」
2階最前列から見下ろすステージ上の早見沙織は、豆粒とまでは言わずとも、少なくとも表情が視認できる大きさではなく、どちらかと言えばライブ中はステージ左右のモニターを見ている時間の方が長かったかもしれません。音響的には、真っ先に感じたのはドラムを筆頭とした楽器の音色の心地良さ。音の輪郭がハッキリと認識できる・・・ただそれだけで心地よいと感じてしまうものなんですね。この辺は流石は国際フォーラムといったところでしょうか。そして、その国際フォーラムで奏でるに相応しい音だったことも違いない。
その中に加わる早見沙織のヴォーカル。これが唯一の例外でした。エコーが効きすぎていたと感じたのは大鋼だけでしょうか?他の楽器全てがクリアな音だっただけに、それらとヴォーカルの響きの差に戸惑ってしまった。
エコーが効きすぎていたが故に・・・早見沙織のライブの最適な広さというのも頭によぎってしまう。これがもし、もう少し狭い会場ならば、もっと満足できる音になっていたのではないか・・・と。音質的な問題を抜きにしても、その独特なムードは狭い空間にこそ映える。それは小洒落たカフェかもしれないし、ちょっとしたステージのある異国の酒場かもしれないし、あるいはMVの撮影に使われた、あのスタジオかもしれない。そんな少人数でクラップと共に楽しまれる音楽・・・そんな匂いを持った曲には、国際フォーラムでさえ広すぎたのかもしれません。それが、2階最前で覚えたこのライブに対する一番大きな感想です。アリーナ席であれば、また感覚は違ったかもしれません。
たった1曲への不満をここまで書けてしまうのは、やはりアルバムのリード曲であり、このライブに求めた雰囲気は、イコールこの曲の雰囲気だったからです。この曲は「象徴」なんです。早見沙織は本格派のアーティスト。音楽性は他の声優アーティストとは一線を画するし、そのヴォーカルの巧さは、これも他の「巧い」とされる声優アーティストとはベクトルの異なる巧さ。そうなると、聴く側としても、他では味わえないクオリティに酔いしれたいと願うのは自然なこと。
今回のライブでの個人的ピークは「メトロナイト」。「SUNNY SIDE TERRACE」からの継ぎ目の無い切り替え。そこからのマイクスタンド+シンセサイザーのスタイルもサマになっていたし、照明効果で、モニターで見るドレスは鮮やかな真紅に変わっていたのも素敵な演出でした。まぁ、偶然の産物かもしれませんけどもね。
その後は、しばらく気分悪くなちゃったんですよ。これはもう完全な自滅で、カフェイン飲み過ぎると気分悪くなる体質なのに、ライブ開始5分前にコーヒー一気飲みして席に向かったのは流石にバカだったと言う他ない。だって・・・喉乾いてたんだもん(爆)そんなこんなで、神経が超過敏になった状態での「白い部屋」「祝福」のダウナー曲連発は、あのスクリーンによる演出も相まって、正直滅茶苦茶こたえました。結局その後、「Fly me to the moon」が終わって一旦席を離れて休憩してました。念のため薬持って来といて良かった・・・。戻ってきてみたら「僕らのアンサー」の途中。この曲は最初から聴きたかったなぁと思いつつも、気分が戻った後で聴けたのは良かったと思うことにしましょう。それにしても、あのドレスのデザイン奇抜だよなぁ(爆)
その後印象に残っているのは、「Blue Noir」のメンバー紹介に入る前のところ。ライブの全シーンの中でも、あの短い時間だけ、爆発的に歌声に力がこもっていました。この曲好きなんでしょうね。
アンコールはコールのないクラップ。独特のセンスで魅せる早見沙織を認めた観客達のセンスもまた、粋と言えるでしょう。
アンコール1曲目はバイオリン&コーラス編成の「eve」。コーラスの一人、川崎里実は『赤髪の白雪姫』のEDを歌っていたeyelisのヴォーカルだった人。早見沙織も好きだって言ってましたけど、あの人の歌声は本当にキレイで素敵なんですよ。そんな人をコーラスに据える贅沢さもいいけれど、個人的にはやはり表舞台で自分の歌を歌って欲しいかなぁ。
最後の3曲「新しい朝」「Bye Bye」「To years letter」はいずれもラストを飾れるムードを持った曲。そう思うと同時に、これだけのラストソング候補の畳み掛けができるところに、早見沙織の大きな特徴を見出すことができますよね。
初心者でも楽しめる?
コールなどは無く、予習は必要ありません。他の多くの声優アーティストのライブとはかなり雰囲気の異なるライブであることは間違いなく、観客の多くもまたそれを理解しており、ペンライト無し、アンコールはクラップのみという結果に表れています。過去のライブ映像を見るとペンライトの光がポツポツ確認できたため、大鋼も念のためペンライトを持参しましたが、今回は一切の光は確認できませんでした。今後も不要でしょうね。
ただし、その楽曲群の特異性故に、サラッとでもアルバムを試聴しておいた方がいいのは間違いなく、そこで自分に合うか合わないかを判断した方が良いです。
ぐだぐだ雑感
好みから外れることは理解した上で、好みを超越した感動というものがあればいいな、と思って参加したライブでしたが、(主にコーヒーのせいで)満足したとは言えないな、というのが率直な感想です。好きな曲の双璧「その声が地図になる」と「Installation」両方が歌われなかったのも残念でした。とは言え、それでも早見沙織が優れたヴォーカリストであることは疑いようもなく、今後も、例えばアルバムの楽曲の方向性が好みにマッチすればまたライブに参加するかもしれません。その時は、東京より狭い会場を狙うことになると思います。
アーティストの成長に伴うライブ規模の拡大と、少しでも近くでライブを楽しみたいという観客の思いは反比例してしまうものですよね、哀しいことに・・・。今回のライブを終えて思ったのは「もし2ndアルバムリリースより前のライブに行っていたら滅茶苦茶満足していた可能性が高い」ということ。楽曲が好みで、なおかつ適度な広さの会場・・・これはもう最高だったんだろうな。
10月のキャラソンライブは・・・滅茶苦茶気になりますけど、あんまり余裕もありませんし、チケット抽選券付きのBDもスルーするのでいい席は取れないでしょうから、多分パスします。早見沙織ほど沢山歌ってきた声優だと、セットリストに好きな曲が含まれるかは運任せなんだろうな・・・(←ライブ後に、好み曲ばっかのセットリストを見て愕然とするパターン)
ああ、そうそう。7月21日にプラネタリウムで早見沙織と寿美菜子が朗読するイベント「ほし×こえ」福井公演に行ってきます。歌ではないけれど、今度こそいい体調で楽しんできます・・・!