DAIMONZI-Xアニメ年間大賞2020
目次
アニメ作品各賞
最高得点賞
全話試聴した作品の各話を採点(1~5点)し、その平均値でNo.1になった作品に贈る賞です。あくまで単話評価の平均値であって、作品全体の最終的な評価とは必ずしも一致しませんが、せっかく一番になったのだから、表彰しない訳にはいかないでしょう。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ
「愚者」と書いて「ベル・クラネル」と読む。魔物を守る戦い。人間、更にはアイズさえも敵に回しての絶望的な展開。この泥臭さはちょっと他のアニメでは見られないですね・・・。長い間良い関係を作れていた、好意すら持っている人との敵対関係、というのは単発の1クールアニメでは重みを出しづらい。これまでの積み重ねがあってこその展開。そしてそんなハードな展開で泥臭さを存分に見せていたのがベル・クラネルを演じた松岡禎丞。今まで数多くの作品で主演してきましたが、そのどの作品よりも心震わされました。見事と言う他ありません。
優秀賞(複数作品)
素晴らしかった作品たち。贔屓目抜きにオススメできる作品に贈る賞です。
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ
最高得点賞にくわえて優秀賞。これはもう普通に傑作です。これ単体で見ても楽しめるでしょうが、これを見たからには過去のシリーズ、それにソード・オラトリアも見ておきたいし、順番としてはオーソドックスに無印→ソード・オラトリア→II→IIIが良いと思います。
『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうかⅢ』視聴直後レビュー
アルテ
いまや「女だからってナメないでよね」的な言葉はフィクションの中でも絶滅したと言っていい時代ですが、この作品は違いました。「ナメられるのはおかしい!差別!」なんて言っても戯言にしかならない時代の、「ナメられてた時代はあった。でもひたすら頑張ってナメられなくなった」というサクセスストーリー。結果で示す人間のたくましさですよ。メジャーに行ったばかりの頃のイチローだってそうでしょ。やっぱり心打たれますよ。そんなアルテを小松未可子が好演してくれたことも特筆すべきことです。
ランウェイで笑って
いやはや、服はユニクロしか着ないレベルで服に興味のない大鋼がファッションを題材にしたアニメを面白いと思うとは思いませんでしたよ。絵は滅茶苦茶キレイだけれども、内容はひたすら泥臭い、ゲスも出てくる、負けず嫌いの物語。これはコテコテのオタクにもそうでない人にもおすすめできる良作です。
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会
ラブライブシリーズや、競合する昨今の2次元アイドルコンテンツが「当たり前」としていた「アイドル=ユニット」という図式を打ち破った作品。これにより一人ひとりのアイドルの個性ある楽曲とライブシーンを堪能できるわけですが、そのライブ一つとっても、3Dモデルのダンスの垂れ流しには終わらず、シチュエーションの異なる2Dカットインを多用して視聴者を翻弄する。そこには「2Dとそっくりな3Dモデルが9人並んでてリアルと同じ振り付け!しかもアップのシーンでは美麗な2Dでヌルヌル!スッゲー!」的な技術的、業界的うぬぼれが無い。視聴者の方を見て映像を作っていると思わせてくれる。好感しかありません。あと愛さんかわいい。
『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』視聴直後レビュー
とある科学の超電磁砲T
貫禄ですよね。画面も音楽も長寿シリーズの貫禄がある。あんなにイケイケで時代を取りに行ってる感のあった超電磁砲とfripSideの、佇まいが大人。でもつまらなくなったかと言えば全くそうではなく、唸らせてくれるものを出してくれています。その象徴とも言えるのが食蜂VS木原のシーンでしょう。アニメの小賢しいシーンって、しっかり練られてないと視聴者は作品をナメちゃうじゃないですか。この作品はちゃんと手に汗握らせてくれる。
・『とある科学の超電磁砲T (1~12話)』視聴直後レビュー
・『とある科学の超電磁砲T (13~15話)』視聴直後レビュー
・『とある科学の超電磁砲T (16~25話)』視聴直後レビュー
特別賞
他人にオススメはできないけれど、個人的に嫌いになれない、愛すべき作品に贈る賞です。
魔女の旅々
今作は、昨年選出した『サークレット・プリンセス』とは選出理由がまるで異なります。あれはクオリティが低いけど愛すべき作品でしたが、本作はクオリティはむしろ高く、けれどもとびきり後味の悪い話がいくつかあるんですよ。
上の得点ランキングで各話5段階評価で採点していると書きましたが、採点基準が「不快」である「1」をつけることは滅多にありません。そんな1を今年唯一つけたのが本作9話でした。(ちなみに昨年はアリシゼーション4話、ぬるぺた6話で1をつけてました)理由は見た人なら解ると思います。アニメ本編でも冒頭で注意書きがあったぐらいですから。
ただ、そういうキツい話もあるけれども、まぁイレイナはかわいいし、くだらない話は楽しいし。花畑の少女も、ミラロゼさんもローズマリーちゃんもエステルさんも骨董堂も、等しく旅の1ページに過ぎない。それって人生なわけですよ。トラウマは尾を引くし、楽しいことはすぐに冷めるけれど、毎日小さな楽しみがあればそれはハッピー。「そんなもん」と考えると楽になる。そんなことを考えさせられる作品でした。
DAIMONZI-Xアニメ年間大賞
その年の最も素晴らしい作品に贈る賞。お前がNo.1だ!
メジャーセカンド 第2シリーズ
クオリティの暴力。ただただ無難だった第1シリーズとは完全に別モノ。「『君の名は』みたいなの!」って注文を受けたとしか思えない、ひたすら爽やかなで、ひたすら眩しい画面!大天使里崎監修の迫力ある野球シーン!ストーリーをかき回す生意気な後輩!急造チームの前に立ちふさがる小学生時代の仲間!睦子かわいい!沢さん美人!千里の「ずざー」あざとい!100点しかつけようがありません。完璧でした。
特筆すべきはヒロインの睦子。今回のキャラデザと作画クオリティで滅茶苦茶かわいくなっているのですが、絵に負けじと花澤香菜がらしさ全開でヒロインをやってるのも凄く良かったです。試合では、卓越した何かを持っているわけではない中一生懸命投げている姿が印象的でした。
あえて一つだけケチをつけるとするならば、アニメオリジナルのラストシーンでしょう。第2シリーズを無理に完結させようとして、不自然なシーンになってしまいましたね。でも、本当それだけ。野球好きなら見て欲しいし、野球好きじゃなくても惹かれるものはあるかもしれない。文句なしにオススメできる2020年の最傑作です。
・『メジャーセカンド 第2シリーズ (1~7話)』視聴直後レビュー
・『メジャーセカンド 第2シリーズ (8~19話)』視聴直後レビュー
・『メジャーセカンド 第2シリーズ (20~25話)』視聴直後レビュー