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ひげひろとおさまけの誘惑合戦・・・[2021年春アニメ視聴録]

2021年07月18日 14:25 更新                  
カテゴリ: [アニメレビュー]

視聴アニメリスト

  1. ドラゴンクエスト ダイの大冒険 (26~37話)
  2. ひげを剃る。そして女子高生を拾う。
  3. 聖女の魔力は万能です
  4. 幼なじみが絶対に負けないラブコメ

視聴断念

  1. ゆるキャン△2(ドラマ)
  2. バトルアスリーテス大運動会 ReSTART!

クール総括

  1. MVP
  2. ベスト・アニソン
  3. ベスト・アクター

各話評価

今回から話数を左寄せにしました。

クリックで原寸表示します。

ドラゴンクエスト ダイの大冒険 (26~37話)

視聴メディア:dアニメストア

竜騎衆戦からザムザ戦まで。

 あのー、前クールの感想で忖度があーだこーだと書きましたが、武闘家マァムの戦闘を見たら、ちょっと撤回せざるを得ないですね。スタッフの意地を見たというか、素材がああでもやりたい放題やってやる!っていう気概を感じました。そりゃそうですよね。作ってる現場の人たちが一番強いストレス感じてたんでしょう。スカッとする素晴らしい仕事を見せてもらいましたよ。

 マァムの描き方もですが、小松未可子の芝居も凄まじかったですね。これまでは、自分の個性にフィットするキャラクターをやらせたら天下一品の声優・・・と思っていましたが、小松未可子に凄みを感じたのはモーパイ以来です。無論、マァムはキャラ的に茉莉花よりも数倍パワフルなので、感じた凄みの質は別物。これは他の作品でもパワフルなキャラをやって欲しいと思えてきました。

 バラン戦はドラゴンボールZみたいな戦いでしたね。迫力はあるけど、ちょっと大味過ぎた気はします。

評価:3.75

ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

視聴メディア:dアニメストア

 ダリフラ以降注目していながらも、あれから数年、なかなかレギュラー出演作を見ることができずにいた市ノ瀬加那がヒロイン、ということで見始めた作品。

 つかみは最高でした。まずキャラデザがいい。滅茶苦茶好み・・・と思って、ふと気づいた。ハチナイアニメのキャラデザじゃん!と。ハチナイ→ひげひろで初めて特徴に気づいた野口孝行のキャラデザですが、実は『天使の3P!』に『ロウきゅーぶ!』も・・・10年も前の作品から見ていたんですね。

 キャラデザがよくて、更に序盤の沙優の誘惑ぶりが凄まじくて。絵も市ノ瀬加那の芝居もこれ以上無いものでした。でも、吉田があまりにも真っ当で。真っ当な大人がいる、というのはこんなにも嬉しいことなんですね。ただまぁ、誘惑に負けちゃったとしてもそれはそれで見てみたかったような。

 吉田が最たる人物ですが、後藤さん、三島、沙優兄・・・と、登場する人物は、母親と矢口以外はほぼ聖人。その矢口ですら、どうしようもないクズと思わせておいて、意外に物分りがよく優しい面も見せていました。最後まで見終えた今だと、矢口が中ボスで、母親がラスボスだったんだな、というのがよくわかります。この二人以外は徹底的にいい人ばかりだったから、尚の事二人の存在はスリリングでした。

 実は、矢口との件が終わってしばらくは、ちょっと中だるみ感を覚えていました。ストーリー上、吉田と沙優の関係にフォーカスされていましたが、序盤の真っ当さは隠れ、かといって沙優への異性愛が明確になるわけでもなく、吉田に関してモヤモヤした回が続きました。北海道行きも、周りの押し付けに流されるようなかたちで、ちょっとな・・・と思いました。まぁ、聖人たちも人間だったのだ、といういことなのですけどもね。

 北海道編については、ここでもモヤモヤはありました。吉田が真っ当な大人であるが故に、目の前にある狂気に対してスカッとする何かを見せることはできなかった。「胸くそ悪いものに対する土下座」は立派だなぁと思うと同時に、「リアルでやったら更に増長させるぞ」なんて思ったりもしました。結局母親は自分の非を認めませんでしたし。ただ・・・最後の夜のシーンだけは、序盤を彷彿とさせましたね。誘惑するかわいい沙優と、それを拒否する吉田。そうそう、このセットを見たかったんだ。アパートに帰った後、涙してEDに進む演出も素晴らしかったと思います。それまでアニメソングとしては平凡だと思っていた「おもいでしりとり」が急に感慨深くなってしまう。

 個人的には、吉田には後藤さんと結ばれて欲しいなとずっと思っていたのですが、最後まで見てしまうと、やっぱり沙優かなぁ・・・と思ってしまいました。2年間後藤さんとの間に進展が無かったというのは、そういうことですよね。吉田も、沙優を待ったんでしょう。

評価:4.07

聖女の魔力は万能です

視聴メディア:dアニメストア

 最近なかなか見かけないキャラクターデザインですよね。古臭いと言うつもりは全く無いし、時代にフィットしていると思うんだけれど、ありそうでなかったデザイン。あえて近い作品を選ぶとすれば、エヴァでしょうか。(異論は認めます)

 女性を主人公とした異世界転生チートもの。ただ、あまりそのチートぶりが鼻につくことは無かったですよね。セイのおとなしめな現代人っぷりが妙に親しみが持てました。その上、作中であまりそういう扱いはされなかったけれど、滅茶苦茶美人。終盤は、ホークのことを考えて能力発動なんてかわいげも見せてくれました。そう、ホーク様。あの人のメインヒロインっぷりも面白かった。あの人がピンチに陥るたびにヒロインモードきたぁぁぁってなったのは大鋼だけでしょうか。最終回なんかはもう「ホーク様、沼に飛び込め!」って感じで。

 最初から最後まで安定して面白かった。安定感では今期見たアニメではNo.1だったんじゃないかな。

評価:3.91

幼なじみが絶対に負けないラブコメ

視聴メディア:dアニメストア

 色々な意味で何だかな・・・と感じたアニメでした。「もうやめろやめてくれ」って、見ているこっちが悪い意味で恥ずかしくなってくるアニメ。ヒロイン陣のキャラデザは良かったし、ヒロインがガッツリ迫るシーンなんかは良かったし、1話の時点ではむしろ好印象だったんですけどね。

 哲彦ほど無粋なキャラクターは記憶にありません。たびたびエピソードの最後に出てきて誰が勝ったやら負けたやら、これはどういうことだったやらネタばらしをして締める。そういうストーリーの組み立て方が好きになれなかったし、誰かの筋書き通りに物事が進む、人のが浅はかなロジックで語られるって、それが何より胸糞悪いんですよ。その点では反面教師にもなりましたけどね。他人の内面をベラベラと推測で語ることは、絶対にやっちゃいけないことです。間違っていても不快だし、間違っていなければ余計に不快。見に覚えがないとは言えないだけに、つらい・・・

 そういうところを最悪だと考えれば、あのおもしろダンスシーンも、群青同盟の動画のあいたたぶりも微笑ましいのかもしれない。アニメーションのクオリティは同情するし、大鋼が感じた痛々しさは、現在進行系の10代にはむしろ刺さるかもしれない。青春自体を否定するのは本意ではありませんからね。

評価:3.16

クール総括

 視聴予定の6作品中、4作を完走。ゆるキャン△2のドラマは、1期は全部満たし、不満は無かったんですけど・・・いかんせんストーリーがアニメの後追い。アニメでもやや地味なエピソードが続いていましたし、「これは見なくてもいいかな・・・」ってなっちゃいました。大運動会は・・・ノスタルジーを思いの外楽しめなかったんですよね。なんでだろう。

MVP
 『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』より荻原沙優。良い面も悪い面もあるヒロインでしたが、これはもう・・・吉田の聖人っぷりを際立たせる狙いもあったでしょうが、誘惑シーンの「雰囲気」が半端じゃなかったですね。『ひげひろ』と『おさまけ』は序盤で誘惑合戦状態でした。どちらも素晴らしかったんだけれど、キャラデザ、作品全体の雰囲気、ストーリーなどで大きな差があり、そんな作品の空気感の中で沙優の魅力は際立っていきましたね。

 『ひげひろ』は沙優以外の人間もいいキャラクターばかりでしたね。吉田も後藤さんも三島もあさみも・・・好感の持てるキャラクターばかり。全員MVPにしたいくらいですが、やはり沙優で。

 次点を選ぶなら『聖女の魔力は万能です』のセイでしょう。こちらも空気の良い作品でしたが、なんと言っても美人(このアニメ、何かにつけて口元をアップにするシーンがありましたよね)。それと、異世界チート系の作品の主人公にありがちな嫌味な部分がない。ホークのことを考えて能力発動とか、かわいいですよね。

ベスト・アニソン
 『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』より、DIALOGUE+が歌うOP「おもいでしりとり」。もともと、決して好みの曲ではなく、OPとして「それっぽい曲」という印象でした。ただ、最終回まで見終えると・・・やっぱり「おもいで」だけあってこみ上げるものはありますね。OP映像も、ちょっと忙しない日常感があって、とても良かったと思います。

・・・ただまぁ、今期は正直ライバル不在だったかな、と思いますけども。

ベスト・アクター
 『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』で荻原沙優を演じた市ノ瀬加那です。ちょっと幸薄そうな声質から、雰囲気をつくれる声優。『ダリフラ』の時からいいなぁと思っていましたが、やっぱりいい声いい芝居。『聖女の魔力は万能です』でもアイラを演じていましたが、あまり出番がなかったのがちょっと残念。でも、これを機に売れっ子になって色んなアニメで活躍して欲しいところです。

 次点は小松未可子。今期最終盤に武闘家のマァムが再登場しましたが、これまでの小松未可子の爽やかなイメージを覆すような迫真の芝居を披露してくれました。以前の豊崎愛生なんかもそうでしたが、若手時代、いい個性を武器に活躍してきた声優が、中堅になっていくあたりで新たな一面とともに凄みを見せてくれるの、好きなんですよ。

あとがき

 完走は4作品・・・と、決して本数は多くないクールでした。そんな中で「続きがきになる」作品は『ひげひろ』だけだったかな・・・と。『聖女の魔力は万能です』も1話1話のレベルは確かに高く、楽しめたけれど、ドハマりするレベルではなかったですし。そう考えると、不作の部類にあたる3ヶ月だったと言えるでしょうか。

 ちょっと余裕があったので、ウマ娘1期を全話みました。名前のあるキャラクターが大勢出てくるけれども、基本的にはスペシャルウィークとサイレンススズカの話。本筋以外をなるべく削るのは当然だと思うけれども、その結果、いかにも魅力ありげなキャラクターが「出ただけ」で終わってしまい、消化不良感が残ってしまうのは難しいところですね。『IDOLY PRIDE』でも感じたことです。

 来期はドラマ『八月は夜のバッティングセンターで。』含め、5作品視聴予定。6月にリリースされた『IDOLY PRIDE』が面白いので、まぁこれくらいの本数でお腹いっぱいかな・・・。(当初の予定では、『白い砂のアクアトープ』も含めた6作品を視聴する予定でしたが、ちょっと余裕無かったので1話見る前にやめときました)

   
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