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不作の中で光った『ぼくたちのリメイク』。[2021年夏アニメ視聴録]

2021年10月03日 13:44 更新                  
カテゴリ: [アニメレビュー]

視聴アニメリスト

  1. ピーチボーイリバーサイド
  2. ぼくたちのリメイク
  3. ドラゴンクエスト ダイの大冒険 (38~50話)
  4. ゲッターロボアーク

視聴ドラマ

  1. 八月は夜のバッティングセンターで。

クール総括

  1. MVP
  2. ベスト・アニソン
  3. ベスト・アクター

各話評価

クリックで原寸表示します。

ピーチボーイリバーサイド

視聴メディア:dアニメストア

 キャラデザが好みなのと、白石晴香主演に東山奈央、M・A・O、戸松遥・・・とキャストに魅力を感じて見てみた作品。

 dアニメストアにはオンエア版と時系列版がありましたが、時系列でないのには狙いがあるはずなので、迷わずオンエア版を視聴。結果的にはそれが失敗でしたね。結局最後まで見てもよくわからない部分というのはありました。特にミリアの存在が一番謎でした。かと言って調べて理解しようとまでは思えないし。

 ストーリーに難を感じたのは確かですが、M・A・Oの純朴なフラウは良かったし、一見ラノベアニメの主人公風に見えるホーソンなんかは、こういうキャラが脇役になると格好いいんだな・・・と思ったし、素材的な部分の魅力が結構強いので、一概に駄作とは言い切れないです。あと、近年低い声の芝居が多かった戸松遥が正統派のヒロイン声でウィニーを演じていたのも良かったです。前はこんなに聴き心地のいい声だったかな・・・と思うくらい良かった。

 これから見る人は、時系列版をオススメします。それなら妙な謎も残らず、十分満足できるかもしれません。

評価:3.58

ぼくたちのリメイク

視聴メディア:ABEMA

 てっきりオリジナルアニメと思って最後まで見続けましたが、ラノベの原作があったんですね。素直に驚かされました。ブシロード絡みでこんなアニメが生まれるなんてのは・・・。視聴するきっかけになったのは、キャラデザの良さと、ゲームディレクターを題材とした作品であるということから。こういうスッキリとしたキャラデザは、ありそうでなかったですよね。何となく「今どきのベーシックだな」という印象でした。

 やっぱり8話が衝撃的でした。まさかのバッドエンドからの未来転移。滅茶苦茶大胆ですよね。「結婚とかの記憶全部スッ飛んでるのに幸せ?」とか、細かいツッコミはありましたが、主人公の橋場が周りから慕われているのにも説得力があったし、あまり嫌味がなかったのも良かった。純粋に終盤のどんでん返しを楽しめました。

 OPがポピパな割に、あまりコテコテのブシロード・キャスティングになっていないんですよね。主要キャラでは愛美だけ。あとはちょい役で大塚紗英やD4DJに出てる反田葉月が出てきたくらい。製作委員会にbilibiliがいますし、あまり影響力行使できなかったのかな?デカデカと中国資本の名前があると、どうしてもネガティブなイメージを持ってしまいますが、もしかしたらキャスティングに関してはプラスだったのかな、という、まぁ軽い推測です。

 キャラクターの中では、河瀬川は美人でクールで熱いところもある、好みなキャラだったのですが、中盤のシノアキのあざとさ凄かったですよね。2006年も良かったし2018年の母性全開のシノアキも良かった。それもこれも古賀葵の好演が大きかった。でも河瀬川もやっぱりいいんですよね。チームきたやまの仲間は結局の所、橋場と対等でなくなってしまった。でも、河瀬川は仲間ではない、戦友だったからそういう関係にはならなかった。だから未来でも頑張り続けていたし、そういうキャラの、ずっと抱えていた感情の唐突な告白というのは、やっぱり刺さります。彼女もまた、東山奈央が好演していて。声優の芝居の力を再認識させられました。

評価:3.91

ドラゴンクエスト ダイの大冒険 (38~50話)

視聴メディア:dアニメストア

 サミットからハドラー親衛騎団戦(フェンブレン撤退)まで。

 この辺は完全にポップが主人公モードですね。鬼岩城破壊から後の話は(ポツポツ知ってはいるけど)ずっと原作未読だったので、先が読めない展開は楽しめました。子供の頃から謎だった、ノヴァってどういうキャラなんだろう・・・って謎も解けてよかった。

 三木眞一郎のヒムの芝居いいですね。すごく活き活きしている。あと、田村ゆかりのアルビナス。真骨頂はおそらくまだ先でしょうが、大人なキャラを演じているアニメをあまり見ていないので斬新でした(過去に沢山演じてはいるんでしょうけど)。

評価:3.76

ゲッターロボアーク

視聴メディア:dアニメストア

 原作マンガはスーパーロボットマガジンで読んでいましたし、その先も文庫本で読んでいました。内容はほとんど忘れていましたが、恐竜帝国に行ってからの内容はよく覚えていました。武蔵とかゲッターエンペラーとか、衝撃的でしたよね。原作を読んでの衝撃ですけど。

 ロボットアニメとして見た時に、アークの魅力が正直まったく感じられませんでした。作品のスケール感に、視聴者だけでなく拓馬もアークも完全に飲まれていました。まぁそれは原作の時点でそうなのですが、作画も雑だったし、アニメ化する上でもうちょっと楽しめるものにできたんじゃないのかな、と感じました。唯一褒められるのは、原作になかったオリジナルの展開を混ぜたこと。號や翔が出てきたのはグッジョブでしたよ。

 それにしても最終回にはガッカリです。バグが出てきた時点で、「おお、最終回は原作になかったバグとの決着が!」と期待しましたが、何のことはない、バグがアークを圧倒するまでの話を作っただけで、バグがいかにして敗れたのかは、ついぞ見れませんでした。(まぁ、ベンケイがバグを倒す様を見てるだけの拓馬って絵面も哀し過ぎますが・・・)Cパートは無いよりはマシだったと思いますが、やっぱりスッキリはしませんね。

評価:3.07

八月は夜のバッティングセンターで。

視聴メディア:AmazonPrimeVideo

 今回の実写ドラマ枠。全然期待していなかったので、第一印象よりは面白かったかな、と。ハチナイを原案としたドラマ・・・とは言うものの、やっぱり最後までずっと、浅いところでハチナイらしさは無かったと思います。

 ゲストが精神的な壁を乗り越えていく物語。ハチナイどうこうではなくて、結局はそこが面白かったし、それしかなかったですよね。毎回レジェンドが出てくるのも良かったんだけれども、次回予告の時点でネタバレしていくので、ワクワク感は無かったですし。最終回だけはシークレットでしたが、山本昌、古田と来たら「それ以上ってどうすんの!?」って思わせておいて上原。いや、間違いなく偉大なレジェンドではあるけれども・・・。しかも舞は上原を見てトラウマを乗り越えた訳でもなかったんですよね。いつもの「○○だーーー!」も無かった。ちょっとそこは上原に対して失礼だったのでは、とさえ思ってしまいます。

 ついネガティブな感想を並べてしまいましたが、上述したように毎回ゲストが十人十色の壁を乗り越えていくのは、それだけで十分面白かったです。・・・ハチナイでは無かったけれど。

評価:3.66

クール総括

 視聴予定の5作品全作を完走。残念ながら評価4以上の作品が無し。このアニメ視聴録を2017年秋から今のスタイルで書くようになってから初の珍事です。『ぼくたちのリメイク』は中盤以降の巻き返しが素晴らしかったですが、序盤はフツーだなと思ってみていたので、トータルでの点数は伸びませんでした。

MVP
 悩ましいけれど・・・『ぼくたちのリメイク』の河瀬川英子。シノアキとだいぶ悩みましたが、やっぱり戦友ポジションのキャラが好きなんですよね。男女問わず。クールだけど熱いのもいい。11話の告白が決定打でしたね。でもシノアキも素晴らしかったですよ。

ベスト・アニソン
 『ピーチボーイリバーサイド』より、Q-MHz feat. 鈴華ゆう子が歌うOP「Dark spiral journey」。印象的なイントロ、アスレチック感のあるAメロ、ドラマティックなサビ・・・ヴォーカルも実力派。鈴華ゆう子は初めて見る名前でしたが、和楽器バンドの人だったんですね。

次点は無し。『ゲッターロボアーク』はEDに懐かしい良曲のリメイクが並びましたが、ちょっと雰囲気変えましたレベルのもので、原曲の良さも消えていますし、残念でしたね。OPも、最初はいいんですけど、あの爽快感ゼロの展開は流石に受け付けませんでした。

ベスト・アクター
 『ぼくたちのリメイク』で志野亜貴を演じた古賀葵です。かぐや様でブレイクした人ですが、他の出演作も見ていると、得意なのはこういう幼さのあるキャラクターでしょうかね。幼いけれど、優しさというか、凄く母性出てますよね。シャアが好きそう。個性派であり、実力派ですよ。彼女の世代の81プロデュースの声優は、上田麗奈に高橋李依と凄い面々が揃っています。あと5年は世代交代不要でしょう。

 次点は東山奈央を挙げておきましょう。MVPに選んだ河瀬川をクールに、時に熱っぽく演じてくれました。『ピーチボーイリバーサイド』では、時に狂気じみていて、見た目性別の判別の難しいミコトを、やはり男とも女とも言い切れない絶妙さで演じていましたね。やっぱり何演らせても巧い。

 もう一人、強く印象に残ったのが『ピーチボーイリバーサイド』でのM・A・Oのフラウ。朴訥。とことん朴訥。見た目のインパクトもあるキャラクターでしたが、それにジャストフィットさせてくるM・A・Oも凄いですよね。

あとがき

 史上初の4点台ゼロという不作のクールでしたが、まぁ何年もやっていればこういうこともあるでしょう。でも『ぼくたちのリメイク』はオススメですよ。第1話が1時間と長いのが難点ですけど。

 そうそう、評価の対象とはしませんが『八月のシンデレラナイン』13話も見ました。最終回の後日談で、ゲームに登場している1年生たちの話でしたが・・・まぁ話としてはオチもなく、ただ入部の流れをアニメにしましたってだけでしたね。あれが2期に繋がっていけばいいんですけど・・・

 来期は色々と期待できる作品が多いです。『異世界食堂2』は前作を見ていました。キャラデザも作画も抜群に綺麗だったので、今回も期待。あと、3分アニメながら『180秒で君の耳を幸せにできるか? 』も楽しみにしているのですが・・・10/3(日)時点でTOKYO MX以外での放送/配信予定が無さそう。今の時代に配信やらずに首都圏のローカル局だけなんて・・・流石に無いと思いたいなぁ。

   
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