英雄王イングリスは最強最高のシングルヒロイン、そんなOP映像。[2023年冬アニメ視聴録]
視聴アニメリスト
クール総括
各話評価
スパイ教室
視聴メディア:dアニメストア
キャラクターデザイン、キャストを見れば間違いなく今期の覇権候補でしたよね。毎回楽しませてもらったことも間違いありません。ただ、数いるキャラクターを持て余してしまった感は否定できませんね。結局灯火全員の名前は覚えられませんでした。
決めゼリフっていいものだな、と思いました。「コードネーム○○、△△する時間です」とか「このお遊びには、いつまで付き合えばいいんです?」とか、最近なかなかこういうセリフで魅せてくれるアニメは見ていなかったように思います。
最後すごく気になる終わり方をして、4月7日に何か情報が出るようですが・・・2期なのか、あるいは劇場版とか?個人的にはティアの活躍をもうちょっと見たかったけれど、今後の展開でそこを掘り下げてくれることを期待してもよさそうですかね。
評価:3.75
デリシャスパーティ♡プリキュア(42~45話)
視聴メディア:TVer
最終回まで。例年より話数の少ない45話で、完全なるハッピーエンド・フィニッシュ。最後まで好感しかない作品でしたね。ヒープリなんかは終盤に毒を混ぜてきましたが、デパプリは最後まで明るく楽しい作品でした。敵幹部の扱いがその象徴ですよね。ナルシストルー、セクレトルーは囚人となりながらも、その先を見出していたし、スピリットルーは皆のために働くようになった。
特に昨今、「被害者のこと考えろよ!」って考えと「加害者は叩かれて当然」という考えに支配されがちな現実社会ですが、僕はナルシストルーやセクレトルーの罪を作中で徹底糾弾しなかったのはむしろ良かったと思います。だって、あの世界の人たちならそうなるでしょ。法に基づいて収監させるけど、市民が私刑を行うようなことはしない。大らかな社会。フェンネルに対してでさえ、ケーキを振る舞うだけの情は持っている社会。
マリちゃんしかり、次のひろプリのキュアウィングしかり、シリーズとしてマイノリティを見せていく傾向にありますが、彼らが当たり前に存在する世界を描くためには、今の現実社会にはまだない「大らかさ」というのは絶対に必要な条件です。それが無いと、すぐさま殺伐とした空気が漂ってしまう。現実は逆。積極的に差別の存在を意識させようとしている人々がいる。このデパプリを見た子供たちが将来大人になって、「もういいじゃん、そういうの」って言ってくれればな、と思います。いや、今の大人だって遅くないし、早過ぎもしないんですけどね。
拓海・・・ブラぺの存在も光りましたね。とても感情移入できる好少年でした。彼の視点というものがあったから、ゆいをとことんかわいく描くことができたとも思いますし、二人の仲を応援したいとも思えました(でも、地味に拓海とあまねの関係も好きだったりします)。
らんもいいキャラしてましたね。井口裕香がコミカルに演じてくれました。今回のプリキュアは4人とも好きですが、とりわけヤムヤムはかわいかった。
キャラデザも声優も特に琴線に触れる要素は無かったので、ひろプリは見ない予定です。ただ、できることならひろプリもデパプリの持つ大らかさを継承して、次に繋いで欲しいな・・・と思います。欲を言えば、男女の境界をぼかしつつも、男女間の感情というものが描かれているようなら、多分後で「見ればよかったな・・・」と思うことになるでしょう。
クール評価:4.50
全話評価:
英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜
視聴メディア:dアニメストア
完全に今期のダークホースでした。キャストも特にこの人が!という声優はいなくて、キービジュアルが何となくいいな、と思って視聴しました。視聴前の段階では、視聴断念した作品も含めて今期一番期待してない作品だったかと思います。
何と言ってもOPですよね。OPの作画監督はサブキャラデザイン/総作画監督の一人、松田りおんという方が担当しているのですが、この映像が僕の趣味ドンピシャで。のっけからドヤ顔!ドレス!鋭い流し目!凄く挑発的ですよね。かわいいより格好いいが先にくる。表情が強くて、よく動いて、この映像見てるだけでクリスに惚れてしまう。
一人の主人公をここまで魅力的に描ききったOP映像、記憶にないんですよ。異世界転生モノってこの作品に限らず、主人公が無双するものが多いかと思いますが、その割にOPで「これは俺のアニメだ!」と言わんばかりに主張してくる作品はこれまで見たことがありませんでした(アニメ本数が多すぎて、チェックしている作品がごく一部というのも多分にあるのでしょうが)。
ちなみに松田りおん作画監督回は3話、5話、11話。11話と12話(最終回)で、全体的なクオリティがやっぱり違いましたね。11話が素晴らしい。ググった限り、アメコミ風のイラストレーターからアニメ業界に転職したのかな?表情の強さはそういうバックグラウンドから来ているのかなーと考えると納得です。名前はしっかり覚えましたが、多分名前を覚えなくても、今後担当作品のキービジュアル見たら「あっ」ってなるんだろうなぁ。
本編に目を向けると、クリスは同じ世界の過去から未来への転生だけあって、異世界転生モノの主人公特有の嫌味な感じがほとんどなかったですね。周りを上から見ている部分はあるにせよ、認めるところをしっかり認めていて、基本的に親目線。その親目線に感情移入させるのもうまい。ラニの指導者的資質は幼い頃からじっくり描いていて、成長が見ていて嬉しかったりしますし。
地味にこの先どうするんだろう・・・と思っているのが、ラファ兄。クリスは転生前が男で、少なくとも異性愛を持っている描写はない(かといって同性愛もないと思う)けれど、ラファ兄本人は言わずもがなガチ惚れだし、ラニも二人がくっつくのを明らかに望んでいる。どう逃げるのか、あるいは完全に外堀埋められてしまうのか・・・。
評価:4.00
ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか IV 深章 厄災篇
視聴メディア:dアニメストア
壮絶。ただひたすら過酷な環境を描き続けて、強くなっていくベル。そしてどんどんヒロイン化していくリューさん。呼び方も長らく聴き慣れた「クラネルさん」から「ベル」に変わり、最終話には完全に堕ちてましたね。
このシリーズの面白いところは一貫して、ベル・クラネルが絶望的な状況でどんどんたくましく成長していくところにある。要所要所で格好良さを見せてくることが嬉しいし、松岡禎丞はやっぱり凄い。負けじと早見沙織も凄かった。壮絶さを楽しめるアニメですよね。いつになるかわかりませんが、次のシリーズを期待したいです。
評価:4.00
クール総括
視聴予定の6作品中4作を完走・・・まぁ『あやかしトライアングル』は放送休止で、視聴を断念した訳ではないので、実質見るのをやめたのは『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』だけ。とは言えプリキュアは序盤で最終回を迎えたし、大半の期間が週3本体制でした。
MVP
もう一択でしょう。『英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜』のイングリス・ユークス。格好いい。かわいい。無双できる力を持っていながら、性格も嫌味がない。完璧です。これほど魅力的なキャラクターは年に何人も出てくるものではありません。次点は『ダンまち』のベル・クラネルとリュー・リオン。よく生き延びたなぁ・・・。
ベスト・アニソン
『英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜』より、AUO feat. MORISAKI WINが歌うOP「DAY1」です。いや、最初はなんて淡白な歌い方のつまらない曲なんだろう・・・って思ったんですよ、正直。ただ、OP映像が素晴らしくて何度も見ているうちに、「あれ?この曲もしかして滅茶苦茶アニメOPしてないか?」と思うようになりました。要所要所で「ダダダダッ!ダッダダッ!」みたいな強いインパクトを残すドラムが効いてるんですよね。イントロもキャッチーだし、歌詞もよく聴くと、英雄王の物語、クリスの生き様をわかりやすく歌っているし、まぁ最高ですね。対抗馬は無し!
ベスト・アクター
もう三冠でいいでしょう!『英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜』でイングリス・ユークスを演じた鬼頭明里です。『グランクレスト戦記』で初めて声を聴き、わたてん、ニジガクを経ましたが・・・正直、いまだこの人の声というものを理解できていません。ただ、クリスを活き活きと演じてくれたのは間違いなくて、やっぱりこの人を選ぶしかないと思いました。
次点は、『ダンまちIV』でベル・クラネルを演じた松岡禎丞、リュー・リオンを演じた早見沙織。ダンまちはとにかく鬼気迫る展開が続くので、声優の凄みをしっかり堪能できる作品ですよね。
あとがき
ということで、2003年冬は英雄王が三冠達成したクールでした。キャラクターも良かったし、いいアニメ主題歌が出てきてくれたことも嬉しかったです。
来期は・・・本格的に見たい作品が無い状態。大本命は不在で、それなりに期待しているのは『推しの子』『ウマ娘 プリティーダービー Road to the Top』くらい。あとは『女神のカフェテラス』『君は放課後インソムニア』『私の百合はお仕事です!』あたりを1話見て継続視聴を判断する予定。夏は見たいアニメ多いんですけどね・・・。