DAIMONZI-Xアニソン年間大賞2022
はじめに
みなさんこんにちは、アニソン狂いでおなじみ大鋼 断です。これは2022年にリリースされたアニメやゲーム、特撮、メディアミックス作品の関連楽曲の中から、ベスト・アニソンを決めて勝手に表彰してしまおうという企画です。名付けて、DAIMONZI-Xアニソン年間大賞・・・!
目次
ノミネート作品リスト
ひとまず、2022年にリリースされた楽曲の中から「良い」と思った楽曲をノミネート作品として31曲リストアップしました。
ノミネートの条件は以下のいずれかを満たす場合。
(3つ目の条件は、以前2つ目をリストアップ漏れした自分への救済措置です・・・)
・2022年にリリースしたCDに初収録された楽曲
・2022年に動画またはデジタル配信で初めて世に出された楽曲
・2021年以前に動画またはデジタル配信されていたが、2022年にリリースされたCDに初収録された楽曲(ただし、他の年にノミネート済の場合は除外)
新人賞
2022年にアーティストデビューした人の中で、最も素晴らしかった人に贈る賞です。
ぽかぽかイオン
3月2日、シングル「やじるし→」でデビュー。新人・・・と言っていいのかどうか。東山奈央と安野希世乃によるユニット。
声優ソロアーティストデビュー年表(1979~2023年) - 輝きが向こう側へ!
こちらのサイトさんが毎年声優のソロアーティストデビューをまとめてくれていますが、とにかく例年に比べて不作の年でした。声優以外のアニソン系アーティストはもはや新人が出てくるような土壌ではないですし、おそらく世間的にも選ぶとしたら青山吉能一択になるんじゃないかと思いますが、個人的にはあの音楽はちょっと苦手。となるともう、新人と呼ぶには実績十分だし、単発企画かもしれないけれど、ぽかぽかイオンしかない・・・。せめて継続して活動してくれていればなぁ。
新人賞に値するかどうかが微妙なだけで、楽曲は素晴らしいですよ。癒し系ハモり。いや本当、2つ目のリリース来て欲しい。
優秀賞
贔屓目抜きに素晴らしかった楽曲たちと、贔屓せざるを得ないほどのめり込ませる楽曲たちに贈る賞です。今年は全10曲・・・!
雨宮天
ロンリーナイト・ディスコティック
作詞・作曲:雨宮天
編曲:川島章裕、宮永治郎
雨宮天ベストアルバムREDに収録。『キテレツ大百科』のEDで流れてそうな曲で、おそらく90年前後の歌謡曲オマージュですよね。オマージュとは言っても歌唱は紛れもなく誰にも寄せることのない雨宮天。
業界では降幡愛もシティポップ・オマージュをやっていますが、あちらが徹底的に再現に力を入れているのに対し、こちらは好きな音楽を自分が歌う!という方向性の違いがあります。結果、オマージュ色よりも雨宮天の妖艶さの方が若干強めかな?といった塩梅に。MVのサムネ、凄くいいですよね。
リリース当時の記事はこちら。
バブリー&正統派!な雨宮天のベストアルバム!2022/01/05頃発売のアニソンCD新譜
キングヘイロー(CV.佐伯伊織)
Exercise the Right
作詞:モリタコータ
作曲:新田目駿、廣澤優也
編曲:新田目駿、廣澤優也
ウマ娘のキングヘイローのキャラソン。佐伯伊織はユニット曲を含めると2019年以来4年連続の優秀賞受賞になります。
声優から入ったというのはあるし、緑色が好きで見た目の好みがドンピシャというのもあるんだけれど、やっぱり実際のキングヘイローの競走馬としての生き様も大きいと思うんですよね。泥臭いエリート感(と感じるのは単に勝てない期間が長かったからなんでしょうけど)。この曲もそういう曲。「明日はどうかしら?」と不敵に言えてしまう不屈っぷりがたまらないのです。
リリース当時の記事はこちら。
キングヘイローのソロ曲。今年の佐伯伊織は熱いぞ。他 夏川椎菜 等 2022/02/09頃発売のアニソンCD新譜
Machico
Cheers!デリシャスパーティ♡プリキュア
作詞:マイクスギヤマ
作曲・編曲:馬瀬みさき
プリキュアOPって、初代以降数年は奇抜な曲だったけれど、ある頃からずっと「それっぽい」を続けてきた(例外はある)と思っていて、この曲も厳密にはその例に漏れない曲だと思っています。
ただ、とことん明るい。楽曲も、Machicoの歌声も、映像も。デパプリは本編も、トゲトゲしさの無い、見ていて嫌な気分に全くならない作品でしたが、そんな本編に相応しい曲でしたね。ドラマティックに雰囲気が変わったかと思えば、急にお料理的な振り付けがつくBメロが特に良い。そしてOP映像で最後に振り向くゆいの笑顔。最高ですよね。個人的にはらんが一番好きですけど、拓海に感情移入して見てしまう部分もあって、その点でゆいの可愛さというのもデパプリの大きな魅力の一つ。アニメ主題歌は曲と映像でセット。映像が残した余韻が楽曲に紐づき、楽曲単体で聴いた時も映像が脳裏に蘇る。紛れもない、良質なアニメソングです。
リリース当時の記事はこちら。
デパプリのおおらかさっていいよね。 2022/03/30頃発売のアニソンCD新譜
NU-KO
Mind Hour
作詞・作曲・編曲:Ryu☆
佐伯伊織のボーカリスト名義NU-KOの10周年アルバム収録曲。
何と言っても印象的なチップチューンのイントロ。試聴動画ではサビの後の間奏で聴くことができますが、ファミコンサウンドって、こういうちょっとメランコリックな雰囲気を作るのが上手いですよね。アルバムの前の曲の「Unlimited Diamond」は元気で格好いいアップテンポサウンドなだけに、ギャップも含めて楽しめる曲。
個人的には、音楽活動、またやってくれないかなぁ・・・と思っています。NU-KO名義でもいいし、あるいは佐伯伊織としてメジャーレーベルデビューしてもいい。ウマ娘のCD出してるランティスとか、ハチナイのCD出してるビクターとかの人、どうでしょ・・・?
QUEENDOM
チキチキバンバン
作詞・作曲:Tarcsi Zoltan
日本語詞:RUCCA
編曲:M.O.R(Eurobeat Union)
アニメ『パリピ孔明』OP。元々はハンガリーの曲。CDリリースがされず、いつの間にかフルバージョンが配信されていましたが、やはりOP映像が素晴らしい。Aメロで薄ら笑いで踊る孔明、「お前もかい!」と言わんばかりに同じく踊る英子。ずっと踊りながらこっちに近寄ってきてるのだと思ってたのですが、カメラが2人に近寄ってるだけで、その場で踊ってたんですね…。
単に中毒性のある曲、というだけではなく、この中毒性のある曲をOPに選択していること自体が孔明の罠で、それにまんまとハマってしまう自分も含めて、この作品の世界観。
原曲はこちら。
莇リナ(CV:早見沙織)
Black Innocence
作詞:藤本記子
作曲:小見山 優子
ストリングスアレンジ:竹岡 智行
PS/Switchゲーム『冤罪執行遊戯ユルキル』メインテーマ。本人名義の音楽活動ではなかなか聴けない、クールな早見沙織のヴォーカル。ドラムが心地良い。何となくですが、ファミコン、スーファミでRPGに親しんだ世代にはこの曲気に入って貰えるんじゃないかなぁ。具体的にどう、ということは書けませんが、そういう空気感あると思うんですよ。
リリース当時の記事はこちら。
クールな早見沙織!パリピ孔明ED、DiverDiva 他 2022/05/25頃発売のアニソンCD新譜
オーイシマサヨシ
恋はエクスプロージョン (feat.田村ゆかり)
作詞・作曲・編曲:大石昌良
アニメ『恋は世界征服のあとで』OP。まずこのアニメが、各配信サイトで配信されていなかった(僕はTVerで見てました)せいか、ほとんど話題になっているところを見なかったのですが、とてもほほえましくて、よいラブコメでした。こういうシングルヒロインのラブコメの主題歌が男女デュエットって、なんかいいですよね。1対1、どちらにも偏っていない感じ。でも田村ゆかりが名義ではなく曲名に入ってるのはどういう狙いなんだろう(笑)
優秀賞、実に3年ぶりの男性ヴォーカルの受賞になります(ちなみに前回は2019年の「お願いマッスル」と「闘魂! ケモナーマスク」)。キャラソン好きで、なおかつ女性向け作品は守備範囲外なので、どうしても男性ヴォーカルの楽曲を聴く機会というものがなかなかないんですよね。今年もこの曲だけ。でも、アニソンを聴き続けていれば、探さずともこういう曲との出会いもあります。
サニーピース
全力!絶対!!カウントダウン!!!
作詞:藤村鼓乃美
作曲・編曲:北川勝利
スマホゲーム『IDOLY PRIDE』2022年の元旦イベント曲。曲自体は21年末に配信リリースされていますが、CDではEP「それを人は“青春”と呼んだ」に収録されています。
2023年2月横浜でのライブでは声出しが解禁され、この曲・・・というよりサニーピースというユニットがとうとう本領を発揮した感がありますが、それはまだ先の話。それを抜きにしても、元気さは相変わらずで、3Dライブもとても良い。個人的には、イントロ/間奏終盤のくるっと回って両腕軽く広げた後にくいくいする振付が何故か好きなんですよね。元気な雰囲気の中の、一時の清涼感と言いますか。
ⅢX
Bang Bang
作詞:Mayu Wakisaka
作曲・編曲:ハヤシベトモノリ(Plus-Tech Squeeze Box)
スマホゲーム『IDOLY PRIDE』より、ⅢX(スリーエックス)のテーマ曲と言える楽曲。EP「それを人は“青春”と呼んだ」に収録されています。
アイプラのメインストーリーをリアルタイムで追っている人は、この曲が公表された時、「あの曲じゃん!」ってきっと思ったと思うんですよね。そう、この特徴的な、ドロドロした圧の強いイントロは、名前だけ先に出ていたスリクスが満を持して初登場した時に流れたBGMまさにそれだったからです。スリクス登場の衝撃というのは単に新キャラが登場したという一言で済まされるものではありませんでした。アイプラというゲームの中で、星見プロのアイドルとマネージャー以外のキャラが初めて顔出しで登場した瞬間であり、「このゲームはライバルも顔出しで登場する」という事実が発覚した瞬間でした。その露骨な強キャラ感を強烈に演出したのがこの曲のイントロです。
ただ、当時のストーリーでは作中で楽曲が披露されることはなく、スリクスの実力は会話上で語られるのみで、正直説得力に欠けていました。その後、ストーリーとは別にこの「Bang Bang」は公開され、先述の通り「あの曲じゃん!」となった訳です。この曲を初登場間もない頃にストーリー内で流していたら、これはもう説得力抜群で「これに勝てるのか・・・」ってなっていたでしょうね。
イントロ以外に目を向けると、印象強いのはmihoのクールボイス。これ、ソロだと多分アイドルとしてはクール過ぎちゃうんでしょうけど、franとkanaがいるからいい感じに飛び道具になるんですよね。
リリース当時の記事はこちら。
IDOLY PRIDE初のEP!他 ゆるキャン△映画主題歌等 2022/06/29頃発売のアニソンCD新譜
上坂すみれ
筐体哀歌
作詞・作曲:ZAQ
編曲:やしきん、ZAQ
上坂すみれの5thアルバム「ANTHOLOGY & DESTINY」より。ロックマン2のワイリーステージっぽくもあり、シンフォギアの「獄鎌・イガリマ」っぽくもあり。さては前山田健一の仕業だな?と思ったらZAQの作曲で意外だったのをよく覚えています。まぁ実際、シンフォギアはともかくロックマンは意識はしてるんじゃないかな~と思いますが、ロックマン2はアーケードでは出てないので筐体って単語とは結びつかないんですよね。
声優・上坂すみれの声は可愛い声もクールな声も大好きなのですが、アーティストとしてはとことんコミカルですよね。やりたい放題やってる感が、これはこれでとてもよい。
リリース当時の記事はこちら。
上坂すみれの豪華な完全限定生産盤!他 鈴木このみ、影山ヒロノブ など 2022/10/26頃発売のアニソンCD新譜
DAIMONZI-Xアニソン年間大賞
大鋼が選んだ2022年No.1アニソンはお前だ!
LizNoir
Darkness sympathizer
作詞・作曲・編曲:Q-MHz
『IDOLY PRIDE』より、LizNoirのちょっとビターなバレンタインソング。昨年の「Shock out, Dance!!」に続き、V2達成です。
LizNoirに対する思いは昨年散々書いたので今年は省きますが、まぁこの曲もキャッチー。イントロもサビも、とことん力強くて、わかりやすい。2022年2月19日中野のライブでは生で聴くことができましたが、神崎莉央を演じる戸松遥のサビでの声の圧は本当に素晴らしかった。感じることができたのは、キャラクターの凄み。歌だけど芝居。それをできる声優です。
アイプラのストーリーって、登場するアイドルグループがいくつかありますが、上でも挙げたサニーピース以外は皆何かしらの苦境を味わっていて、LizNoirはその中でも肝心なところで勝てないという最も屈辱的なストーリーを走っていますが、でもだからこそ余計に心惹かれるし、この曲の終盤の歌詞も・・・恋愛ソングではあるけれど、もっと広く捉えることもできて、やっぱりトップアイドルを目指すLizNoirの歌だと思うんですよ。
リリース当時の記事はこちら。
IDOLY PRIDE初のEP!他 ゆるキャン△映画主題歌等 2022/06/29頃発売のアニソンCD新譜
あとがき
年々、新曲はほとんど自分がプレイしているスマホゲーの曲ばかり聴いているようになっていて、昨年まで目立っていたハチナイの楽曲も落ち着いてきました(この翌年には3年生卒業しちゃったし・・・)。アイプラばっかりになっちゃうかなぁ・・・と思って集計、選考しましたが、意外とまだ素晴らしいと思えるアニメ主題歌がありましたね。1曲しか選べなかった前年に比べればずっと良かった。『パリピ孔明』OPの「チキチキバンバン」は看板としての役割をこれ以上無いくらい果たした良OPだったと思います。機能美が聴き心地の良さを高めてくれることもありますよね。
2022年間ダウンロードランキング アニソン部門 | 音楽ダウンロード・音楽配信サイト mora ~WALKMAN®公式ミュージックストア~
世間的には・・・と言うと。moraの22年DLランキングを見ても、TOP10に知ってる曲が無い!いや、このテのランキングは昔からJ-POPアーティストの独壇場になりがちではあるのですが、実際のところアニメのタイトルはよく見慣れた大ヒット作品ばかり。話題作を全然見れていないからこういうギャップが生まれてしまうのか。『SPY×FAMILY』くらいはしっかり見ておくべきだったでしょうか。ううむ・・・。
佐伯伊織が唯一キングヘイローとNU-KOで2曲優秀賞受賞。この年は音楽活動10周年であり、声優としても『処刑少女~』で初主演。大活躍の年だったと思います。10周年でもまだ20代。今が一番ウデと若さのバランスが取れてる時期だと思うし、アニメはもっと彼女を起用して欲しい。そして歌って欲しい。
そしてやはり選考の中心になる『IDOLY PRIDE』。曲がいいからという理由でプレイしている訳ではありませんが、贔屓目抜きにこれほどキャッチーな音楽をやっているコンテンツは、少なくとも僕の観測範囲上には存在しませんし、その中でも頂点にいるのはLizNoirだと思います。いい意味で格好つけてない、スカしてないですよね。曲と詞と歌唱、全部で極めて真っ直ぐに反骨をしている。そんなLizNoirはストーリー上は不遇だけれど報われて欲しいし、アイプラという作品自体も、モンスターコンテンツだらけの業界の中でしぶとく生き抜いていく様をもっと見ていたいとも思うのです。