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ついに水樹奈々が天下!グラフで見る2011年声優/アニソン系シングル年間売上TOP30

2012年01月28日 12:02 更新                  
カテゴリ: [CD売上]

まったく、総決算は最高だぜ!

今年もニコニコに集計動画をUPされてる方がいたので、このデータを基にグラフを作ってみました。

グラフと上位陣への雑感。

2011年声優/アニソン系シングルオリコン年間TOP30グラフ

ついにトップを獲った水樹奈々。
SCARLET KNIGHT

 昨年6位と9位だった水樹奈々は、今年は1・3・4位。見ての通り、今年は水樹奈々の天下だったと言えますが、昨年6位の「PHANTOM MINDS」は9万枚以上売れているわけで、彼女の中だけで言えば特別ヒットしたわけでもなく、昨年に引き続き、安定して7万枚以上を売った、というのが2011年の水樹奈々。2012年は劇場版なのはA'sがあるでしょうから、いまだかなわぬ10万枚に届くかもしれませんね。

2011年を代表するアニメソング「コネクト」。
コネクト(アニメ盤)

 2011年の話題をかっさらったアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』のOP。ClariSは昨年40000枚を売った俺妹のOP「irony」に続いての好タイアップ。今年は「nexus」も3万枚を超えており、合計10万枚を突破しています。2012年第1クールにも『偽物語』とタイアップしており、SME/アニプレックス陣営のエースとして、2012年も好タイアップを得ながらCDをヒットさせていく可能性は極めて高いでしょう。

キャラソン、男性ヴォーカルの2冠『うたプリ』。
マジLOVE1000%

 『うたプリ』もキャラソンCDがいずれも万単位で売れ、EDは今年のキャラ名義では最大のヒットになりました。女性向けでは、昨年までもヘタリアのキャラソンがランクインしていましたが、うたプリはElementsGardenが絡んでいたりして男性層にも売ろうとしていた感は少しあります。僕の周りでも「マジLOVE1000%」をカラオケで入れてた人もポツポツいました。今時貴重な男性ヴォーカルのアニソンですからね・・・難易度が高くないとなれば、なおのこと。

レコード会社別に見る売上

2011年声優/アニソン系シングルオリコン年間TOP30グラフ(レコード会社別)

注:あくまでTOP30を会社別に分類した数字で、会社のトータルの売上ではありません。

 キングレコードとSME系レーベルの壮絶な戦いになりました。水樹奈々を中心に、ST☆RISH、田村ゆかり、堀江由衣ら声優アーティストが前面に出ているキングと、『まどマギ』をはじめ『Fate/Zero』に『あの花』『ギルクラ』・・・とアニプレックス製作のヒットアニメをClariS、Kalafina、LiSAらが歌うパターンのSME系。

 SMEは特にアニプレックスとの強力な繋がりで戦略的にヒット曲を生み出すことに成功しています。2012年も『偽物語』でClariSを起用。路線堅持の方向ですが、ステマ問題が多少は影響を及ぼすのかもしれません。

 キングレコードは、水樹奈々がいる限りは今後数年はこの業界の上位に君臨し続けるでしょうね。田村ゆかり・堀江由衣を合わせた3大カリスマに継ぐ声優アーティストを育てることが目下の課題で、2012年は喜多村英梨が自身の代名詞と言えるような好タイアップをアニメの主役ともども獲得できるかが注目どころでしょう。ゆいかおりも、そろそろ本格的にブレイクを迎えそうです。

 なんとか3位につけたランティスは『インフィニット・ストラトス』のヒットが大きかったですね。OPもEDも2週目以降の売上は目を見張るものがあります。あとは『タイバニ』のキャラソンと、神谷浩史のノンタイアップ。神谷浩史は、いつの間にかランティスのエースになっちゃいましたね。できればアニメ主題歌をやってほしいんですけど。低迷していた茅原実里は秋に『境界線上のホライゾン』で久々のヒット。スフィアは安定して累計15000枚程度を記録するものの、TOP30には程遠い数字。

 ポニーキャニオンは劇場版『けいおん!』の2枚のみ。しかし、これが初動だけ(集計期間の都合上)の数字というのが凄い。2012年1月23日付の累計にすると、5万枚以上が上乗せされ、ランティスを軽く抜きさってしまいます。・・・とは言え、10枚で80万枚を売った昨年と比べると寂しいのは言うまでもありません。けいおん以外では『ゆるゆり』のOPとEDがそれぞれ1万枚を超えていたくらいでしょうか。『ベン・トー』や『戦国乙女』などで、いい曲を作っていますが売上に結びつきませんね・・・

 日本コロムビアは、アニメ版『THE IDOLM@STER』のOP2枚がヒット。アルバムもヒットしているので、久しぶりにホクホクなんじゃないでしょうか。なお、特撮はこのランキングから除外していますが、ゴーカイジャーOPもヒットしています。昭和の雄も今やアニメタイアップの数が多くありませんが、『トリコ』で串田アキラをOP起用したり、『そらのおとしもの』では歌唱力に定評のある早見沙織を吉田仁美と組ませてblue dropsを組ませたり、面白いことをやってくれる会社ではあります。頑張れ。

 flyingDOGはMay'nとランカ。実はランカ名義のCDはDAIMONZI-Xで年間グラフを作り始めた2009年から3年連続でTOP30に入ってる皆勤賞アーティスト。ただ、中島愛の本人名義の方は・・・パフォーマンス的には既に脱ランカを完全に果たしているのですが。一方、May'nは2010年は低迷したものの『緋弾のアリア』OPで復活。マクロスFが育てたダブルエースに、石川智晶。売上の良し悪しはともかく、2011年はインパクトの強いアニメソングをやっていたと思います。アニメの影響を受けるより、アニメ本編に影響を与えるような主題歌作りに今後もこだわって欲しいですね。2012年には悠木碧もデビューしますし、名前だけでもっと注目されていいレーベルだと思いますよ。

 ワーナー・ホーム・ビデオは2011年にアニソン参入し、RO-KYU-BU!で早速ヒット。他にはKOTOKOにALTIMA・・・ということで、ジェネオンから川瀬浩平プロデューサーともども移籍した人達です(経緯の詳細は知りませんが)。八木沼悟志は、fripSideはジェネオンのままですし、2つのレーベルを股にかけて活動するんでしょうね。いい滑り出しができたので、2012年はシェアを伸ばしていく可能性も高そうです。

 参考に、昨年の会社別データもグラフにしてみました。
わかりきったことですが、ポニーキャニオン圧倒的ですね・・・10枚ともけいおんです。
2010年声優/アニソン系シングルオリコン年間TOP30グラフ(レコード会社別)

総括

 2011年は、2005年の『魔法先生ネギま!』の「ハッピー☆マテリアル」を起点とし、2006年の『涼宮ハルヒの憂鬱』から本格的に始まったキャラソンCDブームが一気に収束した年だったと言っていいでしょう。キャラクターではなく声優本人を前面に押し出したRO-KYU-BU!もヒットしました。天下を誇っていた京都アニメーションの人気も日常で一段落。ブームの立役者とも言える山本寛は、まとめブログ等とのケンカばかりが話題になりましたっけ・・・

 音楽を題材にしたアニメもやや落ち着いている中で、2012年も余程の話題作が出てこない限りは水樹奈々の天下ではないでしょうか。その水樹奈々も安定しているとは言え売上は横ばい。TV出演でアニソンを聴かない層に対しても認知度は高まっているでしょうが、ファン増加には至っていない現状をどう突破するか。

 SME系列の若きダブルエース、LiSAとClariSもアニプレックス製作の所謂覇権アニメで手堅くヒット曲を出してくるのは間違いないでしょう。タイアップアニメ次第で水樹奈々を超える可能性があるのはこの2人(+supercell)。彼女ら自身の固定ファンの数がどれほどかはブラックボックスですが、好タイアップを獲得する確率が他のアーティストより遥かに高いのが彼女達です。とは言え、少なくともLiSAは売上に見合うと言っても差し支えない実力者だとも思いますが。

 水樹奈々の『魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's』 VS LiSAの『Fate/Zero』2期 or ClariSの劇場版『魔法少女まどか☆マギカ』の構図になる可能性は高そうです。他のレーベル、他のアーティストにはこの構図をブッ壊しちゃうインパクトを持ったアニメソングを期待しています。敢えて名指しすると、ポニーキャニオンとflyingDOG。愛美、加藤英美里と悠木碧、中島愛(本人名義)がヒットしてくれたらな、と思っています。分の悪い賭けは大好きですが、ポテンシャルはありますよ。

 無論、DAIMONZI-Xで応援している戸松遥とスフィアにも殻を破って欲しい。昨年は色々と望まぬ方向で話題にされてしまいましたが、だからこその「化け」を期待するし、後輩も今年デビューしてくるでしょうから、若さ・爽やかさからもう一歩深いところに踏み込むには絶好のタイミング。別記事でも書きましたが、4人それぞれの個性を大切にした曲作りを続けていけばライト層も取り込める地力はあります。
参考:スフィア(寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生)のCD売上分析[2012年1月ver]

   
カテゴリ: [CD売上]