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キューティーハニー[前川陽子]のレビューと歌詞、カラオケ配信状況

2008年04月09日 22:56 更新                  
カテゴリ: [1970’s作品][キューティーハニー][前川陽子]

タグ: [][][][][][][]

収録CD

レビューのために聴きまくったためか、猛烈に前者を推したいですね。
倖田版は収録されてませんが、色んなカバーを聴けます。
ダイナミックプロ作品の主題歌を広く集めたい方は後者を。

キューティーハニー SONG COLLECTION SPECIAL
DYNAMIC! THE BEST!!


背景

TVアニメ『キューティーハニー』OPテーマ。
変わるわよ♪

データ

歌手: 前川陽子
作詞: 伊藤アキラ、クロードQ
作曲: 渡辺岳夫
編曲: 小谷充

レビュー

70年代前半、ノリにノッていた永井豪原作のアニメ。1973年の作品。
こないだナントカが腐る発言をして謝罪してた人(時事ネタか!)がカバーして
売れに売れた曲ですが、やはりこの原曲がいい、という人も多いのです。
倖田來未も奥井雅美も、歌唱力で言えば一流(あるいは超一流)のはずなのに、
何故原曲に到底及ばない・・・という評価が存在するのか?
ただの懐古主義者の嘆きなのか?それとも・・・?

まず、この曲のキモはスピード感。
この曲は、ステレオの左側にストリングス、右側にトランペットが配置されています。
「今日もどこかでデビルマン」でも書きましたが、定位が非常に単純明快。
そのストリングスが「ジャララララン!」と、音の流れで勢いを生み出し、
トランペットが音一つ一つの力強さで、さらに勢いを増幅させてるのです。
渡辺岳夫は、こういうの得意ですよね。
(宙明大先生も凄いが、この人も尊敬に値する・・・)

そんな勢いのある曲にのって、次々と"弾き出される"歌詞。
強烈にキューティーハニーらしい歌詞。
「最近の作詞家連中に、こんな作詞はできねぇよ!」と言いたいところですが、
これほどのものはどの時代の人でもそうそうできんでしょうね。唯一無二ってやつです(´ー`)
なんかこう、言ってることが全然はっきりしてないんですよね。
けれどまぁ、言いたいことは何となくわかっていて、
露骨に言っちゃー下品だからあいまいにしているだけで。
「おねがい おねがい 近寄らないで」ってのは、あれです。
嫌よ嫌よも好きのうちってやつです。極めて挑発的な「近寄らないで」。
視聴者の男性と、ハニーの二つの視点。これがコロコロと切り替わっていく。
あの永井豪の絵で、ハイテンションギャグの時の男キャラの表情と、
八の字まゆげで何とも言えないハニーの表情が思い浮かぶ(´ー`)

そして前川陽子の歌唱。
出だしからちょっとタイミングを早めて唄ってるのがわかるでしょうか。
原曲をじっくり聴いた人が、カバー版を聴いて感じる違和感があるなら、多分これでしょう。
早いというか、妙に焦ってしまうような感覚。
もちろん、この原曲の魅力はそれだけではありません。
Aメロの「こっちを向いてよ ハニー」。ここが最大のツボなんです。
この原曲を聴いた人ならわかりますよね?「ハニー」の独特の言い方!
「ハ」を極端に"ため"て唄っているのですが、これが素晴らしいのです。
(カバーしてる人達は皆ここをフツーに唄ってるんですよね・・・マネしろとは言わないけど)
歌唱力の上手下手は"良し悪し"じゃないけど、この人は確実に、よい歌唱ができる人だ!

この原曲の魅力。70年代、80年代、90年代・・・そして2000年代。
日本人の文化が失っていったものが詰まっているような気がするんですよね。
時代の持つ魅力というものがある。今の時代が持つ魅力だって当然あるのですが・・・
2000年代に入って、残念ながらめっきり消え失せてしまった要素があります。
時代の流れに乗ることで失われたのは、「明朗さ」であり、「軽快さ」。
今カバーされてるアンダーグラウンドな雰囲気の漂うハニーは、
ただ曲がよくて、歌詞が奇抜なだけの曲。このハニーにアクションはさせられん(´`)
(まぁ、アレンジの違いも大きいですけどね。)
倖田に・・・いや、今の10代・20代の歌手に、前川陽子のような、音を弾き出すような
歌唱はできないでしょう。やりたいとも思わないでしょう。
それは自分のスタイルではないはずですし、当然のことです。やらなくていいんです。
今の若い人に、ああいうのは似合わない。つまり、継承者は"いない"のです。
正統派ヒーローのような、真直ぐで、堂々とした態度というのは、
実力が伴わなければダサいことこの上ない。スタイリッシュであることに
過敏になりすぎている今の日本では、まず継承者と呼べるような人は現れない。
憂うべきは、この風潮が終わる見込みが全く見えないことでしょうか。
・・・ちなみに、前川陽子がこの曲を唄ったのは22歳。
2008年4月時点での大鋼より若いじゃないか・・・これが22歳だというのか。

処方箋(個人差があります(´ー`))

この曲はすごく個性的なのですが、これを聴いて精神的に何かいい効果がある・・・
というのは、ちょっと考えづらいですね。
他のレトロソングと併せてプレイリストをつくって、
70年代の永井豪の、キューティーハニーの勢いを感じてみてはいかがでしょうか。
あるいは、各カバーとの聴き比べというのも面白い(´ー`)

どうでもいい余談

ええと、各カバー曲が好きな方々、色々書いちゃいました。すんません(;´ー`)
まぁ、聴けば聴くほど各カバーの良さがわかってくるのは確かです。
それぞれ、力のいれどころが違ってるのが面白いですね。
歌唱力については「良し悪し」だとは思ってないので、触れませんが、
倖田版のイントロのベースは、倖田の歌唱同様、アンダーグラウンドな感じが○ですよね。
Salia版のアレンジはとにかく素晴らしい。格好いい。レビュー中も聴き込んでしまいました。
les 5-4-3-2-1版は・・・これ、根谷美智子ですよね?
(2008年4月13日追記:別のアレンジの根谷版と聞き比べてみると、全然違いました)
ハードロックなアレンジですが、それよりもノビのない声が素晴らしい。
歌唱力よりも大切な武器をちゃんと持ってるよなぁ。

歌詞

前川陽子/歌詞:キューティーハニー/うたまっぷ歌詞無料検索

試聴

Neowing

カラオケ選曲No.(2008/04/09時点)

DAM: 2345-02
JOY: 5330(SHOW劇クリップ: 99532)
UGA: 6002-14(ハウス: 7560-48、ファンク: 7604-19、フォーク: 7661-80)
         (レゲエ: 7506-41、ロック: 7585-05)

   
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