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戸松遥の神がかり的1人2役と、宇宙一素直じゃないNTR。[2024年夏アニメ視聴録]

2024年10月06日 00:34 更新                  
カテゴリ: [アニメレビュー]

視聴アニメリスト

  1. わんだふるぷりきゅあ!(22~34話)
  2. 2.5次元の誘惑(1~13話)
  3. グレンダイザーU
  4. キン肉マン 完璧超人始祖編(0~11話)

クール総括

  1. MVP
  2. ベスト・アニソン
  3. ベスト・アクター

各話評価

クリックで原寸表示します。

わんだふるぷりきゅあ!(22~34話)

視聴メディア:dアニメストア

 ガオガオーン、ニコ登場。相手がより凶暴になるも、戦わないスタンスはそのまま。ガオガオーン初登場時の絶望感は凄かったけれど、何だかんだで数話経過するとガルガルを相手にしてる時とあんまり変わんなくなりましたね。

 まぁそれよりも悟ですよ。次クールの頭で告白するのかしないのか。影の主役ですよね。近年ではブラペもそうでしたが、プリキュア主人公に恋する男ポジションはなんか好感が持ててしまいます。プリキュア5の頃まで遡ると、ココはそうでもなかったんだけどなぁ…。何はともあれ、彼の存在が今作の面白さを少しずつ引き上げてる感じがします。

評価:3.84

2.5次元の誘惑(1~13話)

視聴メディア:dアニメストア

 コスプレっていう題材に興味が湧いたのと、キャラデザが好みだったので見てみましたが、想像以上にストーリーが良かったです。趣味論、大人論的なところで作者の価値観がとても出ていたのが良かったし、作画が素晴らしく、作中でリリエルが持て囃されることにも説得力がありましたよね。あと、リリサがとてもかわいい。個人的にはリリエル姿よりも普段の姿の方が好みです。EDで踊ってる姿、特にAメロのところがとても良い。ガチで踊ってないところが余計にいいですよね。ハルヒダンス以降、長らくダンスシーンはクオリティの見せ所的な印象が強かったですが、実は素人臭さが可愛かったりもする。そこに業界が気づいてくれたのなら、とても良いことだと思います。2クール目も楽しませてもらいましょう。

評価:4.07

グレンダイザーU

視聴メディア:dアニメストア

 『UFOロボ グレンダイザー』はスパロボで知って、昔ツタヤに1本だけあったVHS(1話7話14話が収録されてるやつ)をダビングして何度も見返していたので、とりわけ富山敬演じる大介さんが好きだったし、だからこそキャラクターデザインが発表された時にはガッカリもしました。ただ、それでもやっぱりグレンダイザーだし、戸松遥も1人2役で出演するし、嫌な予感はしつつも見ない訳にはいかない作品だったのです。

 1話を見終えた時点では、これは完走できるだろうか…と心配もしました。というのも、あのマンガ版初期のマジンガーZのデザインが好きじゃないんですよ。ブレストファイヤーの放熱板の曲線も、目の周りの太い縁も、全然好きじゃない。あれを見て、バンダイビジュアルが作ったマジンカイザーのOVAを思い出しましたし、「ああ、やっぱりマジンガーZだけだな…」とも思いました。INFINITYは素晴らしかったですもんね。優男な大介さんに、好きじゃないマジンガーZ。話単体として悪くはなかったけれど、こんなの期待できる訳もない。そんな1話でした。

 で、その後は……いやいやいや、面白い!そりゃまぁ、作画クオリティは正直今期見たアニメの中ではぶっちぎりのワーストです。その上、ヒロインのルビーナはいくらなんでもケバ過ぎるし、大介さんの煮えきらない態度、ルビーナの妙に達観したような優しい雰囲気を見て、ガンダムSEEDを思い出してしまったのは僕だけではないでしょう。UFOロボ~にはいなかったカサドなんかも、しゃしゃり出て来るんじゃねぇ!って特に最初は思いましたし、確かに粗は探すまでもなく、いくらでも出てくるんです。それは僕もそう感じましたよ。(ちなみに今知ったのですが、あのケバいルビーナの容姿は『宇宙円盤大戦争』のテロンナから来てるんですね。テロンナが元のルビーナのデザインなのはもちろん気づいてましたが、ルビーナとテロンナの見た目入れ替えてたんだな…)

 最初に「あっ」って思ったのは、4話でのナイーダ演じる佐倉綾音の好演。1年前の『わたしの幸せな結婚』でも悪女っぷりが滅茶苦茶光っていましたが、今回のナイーダも素晴らしかった。ここまでの役者になるとは正直思っていませんでした(あと、あの回は作画もかなり気合入ってましたよね)。それと、やっぱり11話のラストでしょう。あそこで僕の中でのテロンナ株が爆上がりしました。なんなんでしょう、あそこまでやって、好きだと言えない。出た言葉は「妹に近づくな」ですからね。ケータみたいな声で。NTR的な意味での衝撃と、「好きだからじゃないんかい!」って衝撃と、滅茶苦茶シリアスなシーンなのに、どこかかつてのギャグアニメを思い出させる声…っていうトリプルマジンガーパンチ。で、またED曲の入りが抜群にいいんですよね…。

 あと、甲児がとことんいい奴を貫いてくれたのも良かったですよね。終盤、攻撃作戦決行に盛り上がる甲児達と、ルビーナとの件を言い出せない大介さんを描いていて、なんとなく「あ、これ甲児たちがルビーナ殺して地球人滅亡エンドとかじゃ…」って匂い感じてた人少なくないと思うんですよ。永井豪作品だし。この作品のバッドエンドは、甲児がいなければ避けられなかった。キャラクター一人ひとりがバッドエンドに着実に歩みを進めている中、たった一人でポジティブなエンドに変えちゃいましたよね(まぁルビーナは助けられなかったけど…)。お見事だったと思います。それと、マジンガーX。昭和の少年たちを夢中にさせた、あのデザインのマジンガーですよ。名前がXでもかまわない。僕は嬉しかったです。

 で、あのエンド…それに12話に出てきた「ヘル」という名前。2期あるのかなぁ…。国内の評判だけ見れば絶望的ですが、おそらく大事であろう中東での人気はどうなんでしょう。個人的には見たいけれど、ルビーナ亡き今、ラブストーリー的側面は封じられる訳で、今回より面白くなる気がしないなぁ。いや、そりゃテロンナに幸せになって欲しいけれど、無理でしょ、あれは…。

評価:4.46

キン肉マン 完璧超人始祖編(0~11話)

視聴メディア:BS11

 キン肉マンは子供の頃に王位争奪編のアニメを見ていましたが、本格的に見出したのはこの完璧超人始祖編…2011年に原作マンガが再開されてから。以降12年間超、毎週の楽しみであり続けている作品のアニメ化ということで、かなり期待していました。

 ただ、実際のところ…世間的には称賛の声を多数目にした一方で、個人的には「こんなものか…?」と感じたのが正直なところです。作画は素晴らしかったし、一新されたキャスティングにも何ら不満はありません。ただ、うまく言語化できないけれど、何か「なぞってるだけ」な感じがしてしまう。試合序盤の超人紹介などはプロレス的ではありつつも、冗長に感じてしまいました。原作が2世の頃と比べてテンポよく話が進むようになったのが好評だったのに、このアニメにそのテンポの良さは感じませんでした。

 でもまぁやっぱり、キン肉マンのシーンの中でも僕が一番好きな、スプリングマンとバッファローマンのあの掛け合いがアニメで見れたのは嬉しかったですし、キン肉マンの良さが沢山の人に広まったのなら、それはそれで良かったのだと思います。来年1月からの2nd Seasonではディアボロズの試合はもちろん、ペンタゴンのあれも見れるでしょうし、楽しみにしています。

評価:3.83

クール総括

 視聴予定の全6作品のうち、4作品を完走。『菜なれ花なれ』も3話まで見て面白かったのですが、8月9月と家族の介護の問題で心身のストレスが酷かったので、少しでも負担を減らすために泣く泣く諦めました。

MVP

 『グレンダイザーU』のテロンナ。正直なところ、11話ラストを見るまでは『2.5次元の誘惑』の天乃リリサを選ぶつもりだったし、グレンダイザーUの中でもルビーナの方が(ルックスはともかく性格的な面で)好みどストライクでした。…が、あのシーンのインパクトが強過ぎました。あまりにも素直じゃないNTR。この賞、基本的には一番女性として魅力的に感じたキャラを選ぶことがほとんどですが、たまにこうやってストーリーを面白くするキャラクターとしての魅力を感じたキャラを選ぶこともあります(過去の例で言えば、ウザメイドの鴨居つばめなんかもそうでしたね)。

 次点は上述した通り、天乃リリサです。抜群にかわいい。キャラデザの時点で好みだったけれど、動いてる姿もかわいい。今回は相手が悪かっただけで、いつもならMVPです。それから、『キン肉マン 完璧超人始祖編』のスプリングマンバッファローマンもコンビで。あの2人のやり取り本当好きなんですよ…。

ベスト・アニソン

 『グレンダイザーU』より、GLAYが歌うOP「会心ノ一撃」。GLAYの曲を聴くのは『クロムクロ』のOP以来ですが、今回の方が好きです。サビへの入り、サビがとても良い。彼らの黄金時代は確か僕が中学生の頃。当時からキャッチーな曲を作っていましたが、あの頃時代を作った彼らが、変わらずいい曲作っているのはちょっと嬉しいんですよね。

 次点は『2.5次元の誘惑』より、天乃リリサ(cv.前田佳織里)・橘 美花莉(cv.鬼頭明里)が歌うED「Watch Me」。これは曲もいいけど、ED映像もいい。やはりリリサがかわいいんですよね。特にAメロ。

ベスト・アクター

 『グレンダイザーU』でテロンナ/ルビーナを演じた戸松遥です。異世界おじさんでエルフを演じた2022年秋以来2度目の受賞になります。

 演じ分けが凄いなんて言いませんよ。性格の異なるキャラを異なる声質で演じることができる……そんなことは評価することでは全く無い。ただし、それぞれのキャラで極めて魅力ある芝居をしたのであれば、1人2役で見事な掛け合いをしていたのであれば、それは大いに評価すべきことです。ルビーナはあまりに浮世離れした…あまりに優しく、あまりに高貴で、芯が強過ぎる。穏やかに、優しく話しているはずなのに、とてつもない圧を感じる。そんな高貴な圧にどうしようもなく惹かれもしました。一方のテロンナ。まぁ上では「ケータ」とか書いて茶化しましたけど、最終的には応援したくなるくらい人間臭く演じてくれました。聖人過ぎるルビーナと俗人過ぎるテロンナは、互いが互いを輝かせたのです。こんな離れ業を「演じ分け」なんて軽い言葉で表現してはいけません。

 そんな戸松遥が圧巻だったが故に、選ぶことができなかったのがあまりに残念でならないのが、同じく『グレンダイザーU』でナイーダ・バロンを演じた佐倉綾音。4話を見た時点では、もうベスト・アクター選出は確信していました。妖艶、狂気……瞬間最大風速で言えば戸松遥以上だったと思います。この感覚は『私の幸せな結婚』以来ですね。単発的にとんでもない仕事をする。次に機会があれば、今度こそあやねるを選びたい。

あとがき

 上述したように、家族の介護で精神的にかなりしんどいクールでしたが、かなり久しぶりに満足度の高いクールになりました。ここ最近、各賞を選ぶ時も「次点は無し」って書いてばかりでしたからね。グレンダイザーUと2.5次元の誘惑が2本柱になってくれたし、プリキュアもキン肉マンも楽しませてくれました。こんな感覚はどれだけぶりでしょうか。

 で、ストレスは継続する中で来期は見たいアニメが何と8本。いや、これは流石に無謀だと思うので、とりあえず全部1話は見るけれど、つまらない作品があるといいなぁ…っていう矛盾した感覚。これも久しぶりですね。ただまぁ、『プリキュア』、『2.5次元~』は当然継続として、『るろ剣 京都動乱』、『ダンまちV』、『MFゴースト』…と続き物が合計5作品。これらは流石に切りづらい。っていうか5作品って時点で今期より既に多い…。新規は『ひとりぼっちの異世界攻略』、『結婚するって、本当ですか』、『君は冥土様。 』の3本。これらがどうなるか…。

   
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