DAIMONZI-X

声優/アニソンレビュー&CDデータ語り  

DAIMONZI-Xアニメ年間大賞2023

2024年07月22日 22:05 更新                  
カテゴリ: [アニメレビュー]

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はじめに

 みなさんこんにちは、アニメ大好き大鋼 断です。当ブログではクール毎にアニメ感想記事を書いていますが、この記事は1年間4クールの中でベストなアニメを決めて勝手に表彰してしまおうという企画です。名付けて、DAIMONZI-Xアニメ年間大賞・・・!

目次

  1. 得点ランキング
  2. アニメ作品各賞
    1. 最高得点賞
    2. 優秀賞(複数作品)
    3. 特別賞
    4. DAIMONZI-Xアニメ年間大賞
  3. 部門賞
    1. MVP
    2. ベスト・アニメソング
    3. ベスト・アクター
  4. あとがき

得点ランキング

 評価の目安は以下の通り。1は滅多に出ませんし、つまらない作品は、好きな声優が出演している等、何らかの理由が無い限り序盤で視聴終了するので、結果としてほとんどの作品は平均3.0を超えます。

 5: 素晴らしい
 4: 面白い
 3: 普通 / 面白さとつまらなさが拮抗
 2: つまらない
 1: 不快

アニメ作品各賞

最高得点賞

 全話試聴した作品の各話を採点(1~5点)し、その平均値でNo.1になった作品に贈る賞です。あくまで単話評価の平均値であって、作品全体の最終的な評価とは必ずしも一致しませんが、せっかく一番になったのだから、表彰しない訳にはいかないでしょう。

私の百合はお仕事です!

経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。

 なんと今年は史上初、2作品が同じ得点で並びW受賞。平均は4.16点。ちなみに次点は『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』の4.15で、かなり僅差でした。なお最多得点賞に輝いた作品の得点が4.5を下回るのも初になります(厳密には2017年以来の珍事なのですが、そっちはまだ記事書いてないので…)。

 歴代の最多得点アニメは安定して4か5を叩き出す作品ばかりでしたが、今回の2作は波がありましたね。1話1話を丁寧にというよりは、数話置きにしっかり面白い話を配置していくやり方。最終回を見た後にどれだけインパクトが記憶に残っているかが大事だと思うので、どっちが正解ということではないんですけどね。

優秀賞(複数作品)

素晴らしかった作品たち。贔屓目抜きにオススメできる作品に贈る賞です。

私の百合はお仕事です!

 百合を演じるアニメなのかと思いきや、ちゃんと百合・・・どころか、橘さんを軸に見る後半の関係性の描写は凄かったですね。ドロドロとしていて、美しい。陽芽と美月中心だった前半とは打って変わっての怒涛の展開は見事でした。

 EDのデュエットが、可憐で美しくて、素晴らしい。これはリーベ女学園で演じているソトヅラ的な歌だとは思うのですが、最終的にはそうとも言い切れないのかもしれません。

『私の百合はお仕事です!』視聴直後レビュー

経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。

 ギャルアニメと言えば、基本的にはグイグイくるヒロインに魅力を感じて、主人公に感情移入して・・・という見方になるでしょうか。このアニメもそうかと思いきや、見た目に反してヒロインのルナが滅茶苦茶マジメで内向的ですよね。今思えばギャル設定は序盤の導入のために必要だっただけで、話の本筋はリュートとルナが、お互いよくわかんない乙女心と男心に触れて、関係を深めていくのを見守る話だったのかな・・・と思います。ルナの女友達二人はちょっと説教臭くもありましたが、まぁそういうところも含めて青春というか、青臭さを楽しめる作品でしたね。

『経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。』視聴直後レビュー

16bitセンセーション ANOTHER LAYER

 商業誌版のコミックスを所持しています。元々漫画家の自伝的作品とかが好きで、まして美少女ゲームのイラストレーターのもの、更には大好きなレトロPC…PC98まで扱うとなればこれはもう無視する訳にはいかない作品でした。

 懐古趣味を十分に満たしてくれたかと言えば、そうとは言えないかもしれません。タイムリープものということで複数の時代を見ることができたのは良かったですが、終盤の未来の話は望んでいたものとは別だったかな、というのが正直なところです。それでも流石にラストはグッときましたけどもね。最終的にはラブストーリーだったんだなぁって。

『16bitセンセーション ANOTHER LAYER』視聴直後レビュー

ウマ娘 プリティーダービー Season 3

 満を持してのキタサン主演作。ライバルたちはサトノダイヤモンド以外はポッと出の新キャラばかりで、見始める前は期待していなかったのが正直なところですが、熱量で覆してくれました。OP映像もとても良かったし、本編終盤の矢野妃菜喜の熱演は圧巻でしたね。あそこまで演れる人だとは思っていませんでした。

 「私が勝つよ。キタサンブラック」という明言は、これだけを切り取っても衝撃的だけれども、これまでの仲良しの2人を長く描いてきたからこそ、余計にしびれましたよね。1期からの資産をすべてこの3期で使い尽くした感もあります。この先ウマ娘で、これに見劣りしない勝負を見せられる可能性があるとすれば、もうダイワスカーレットとウオッカだけでしょう。(でも主演作は作られないんだろうなぁ…)

『ウマ娘 プリティーダービー Season 3』視聴直後レビュー

わたしの幸せな結婚

 上田麗奈の芝居には、多少趣味から外れていても作品を見たいと思わせる引力があります。この作品の美世の声は、あまりにもか細い。1話や2話はそれだけでお腹いっぱいになれます。作画のクオリティ、安定感も2023年のアニメの中でもトップクラスだと思いますが、やはりこの作品の魅力は声優の力に依るところが大きいでしょう。

 6話ですよ6話。上田麗奈の熱演…いや、超冷演に触発されたかのような、佐倉綾音の超悪女芝居。これも素晴らしかった。ゾクゾクしましたね。それ以降は美世の不幸せの方向性が変わってしまいましたが、6話までは傑作中の傑作と言えます。いや、7話以降もつまらなくはないし、面白いんですけどね。芝居を味わうという点ではやっぱり6話なんです。

『わたしの幸せな結婚』視聴直後レビュー

特別賞

他人にオススメはできないけれど、個人的に嫌いになれない、愛すべき作品に贈る賞です。

悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。

 歴代のこれまでの特別賞の中で一番マトモな作品かもしれません。優秀賞にしても良かったくらいです。ありきたりな設定から、凡作と予想する人も少なくないんだろうな…と思いますし、あらすじだけを見れば主人公がチートスキルで無双し、「ありもしないアニメ2期に続く」で完結する、ごくありふれた作品なのも事実ですが、素晴らしいヒロインが1人いれば、そんなことは簡単に覆すことができてしまう…そういう作品でしたね。

 ヒロインであるプライドの気高さ、強さ、優しさ。それらを由来とする、心を鷲掴みしてくるセリフの数々。ファイルーズあいの好演。それを一層引き立てる、ステイルとアーサーの健気さ。そんな微笑ましい光景を見ていると、こっちまでプライドを好きになってしまうし、ステイルとアーサーを応援もしてしまう。ありもしない、とは書いたけれど、2期あるといいなぁ。

『悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。』視聴直後レビュー

DAIMONZI-Xアニメ年間大賞

その年の最も素晴らしい作品に贈る賞。お前がNo.1だ!

英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜

 OP映像の破壊力。ここ数年、これほどOP映像をリピートしたアニメがあったでしょうか。2019年の『サークレット・プリンセス』『ダンベル何キロ持てる?』『旗揚!けものみち』…4年前まで遡ってようやく比較できる良OPが見つかるくらい(それにしても2019年豊作過ぎますね…)。以下で散々僕好みな映像であることを書いていますが、僕以外にもこのOP映像の中毒者が大勢いるのは、2024年4月現在でYouTube100万再生突破という事実が証明しています。

 1人のヒロインをここまで魅力的に描ききったOP映像はそうありません。最初から最後までイングリス。いや、もちろん他のキャラも沢山出てくるのですが、やっぱり彼女らは「仲間」、よく言って「ライバル」以上の何かではなく、イングリスという主役の添え物。

 好みにフィットする…という点で、イングリスというヒロインはドンピシャでした。心はは前世の爺さんのままかもしれないけれど、ルックスも性格も文句のつけようがない。制服姿もドレス姿もOPの謎演舞ポニーテールも、見てるだけで多幸感。チートなパワーで無双しても全然嫌味な感じがしないし、基本誰に対してもどこか親目線で優しい。で、極めつけはOPでも存分に見せてくれたドヤ顔。これほどドヤ顔が堪能できるアニメは見たことがありません。もうこれだけで年間大賞確定ですよ。

 この作品を語る上で、OP作画監督でサブキャラデザインの松田りおんの名を出さない訳にはいかないでしょう。濃い、実に濃い表情を描ける人。この人がいなかったらおそらく年間大賞には選んでいなかったでしょう。

 ストーリーで言えば、もっと練られた作品は沢山あったでしょう。でも、流石に相手が悪かった。このイングリスに対抗し得るメインヒロイン…『モーレツ宇宙海賊』の加藤茉莉香ぐらいしか思い浮かびません。何となく解ります?僕の趣味(爆)

『英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜』視聴直後レビュー

部門賞

MVP

1年間で、最も素晴らしいと感じたキャラクターを選出します。

英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜
イングリス・ユークス (CV.鬼頭明里)

 上で散々魅力を書いてしまいましたが・・・対抗馬などいるはずもない、文句無しのMVPでした。10年・・・は盛り過ぎかもしれませんが、少なくとも5年に1度現れるかどうかのパーフェクト・ヒロイン。ルックスよし、性格よし、その2つがあって成立するドヤ顔も魅力的でした。中身は爺さんかもしれませんが(笑)

 異世界転生して無双する作品をここ数年何本も見てきて、やっぱり主人公の性格というのは作品の面白さに直結します。何をやるにしても、相手をたてることをしない主人公というのは、その性格が鼻についてしまう。その点、爺さんだったクリスは親目線で温かいんですよね。その親目線な関係の最たるところであるラファ兄との関係は今後どうなるんだろう・・・って滅茶苦茶気になりますけど(笑)

ちなみに、各クールのMVPは以下の4人でした。
 冬: イングリス・ユークス (英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜)
 春: 橘純加 (私の百合はお仕事です!)
 夏: プライド (悲劇の元凶となる最強外道ラスボス女王は民の為に尽くします。)
 秋: 白河月愛 (経験済みなキミと、経験ゼロなオレが、お付き合いする話。)

ベスト・アニメソング

OP曲、ED曲、挿入歌、劇中歌から最も素晴らしいと感じた楽曲を選出します。別途公開するアニソン大賞との違いは、ノンタイアップは取り扱わないことと、期間内にアニメで使用されていればリリース時期に関係なく候補とする点です。

AUO feat. MORISAKI WIN
DAY1

 『英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜』OP。あの素晴らしいOP映像に引っ張られる形にはなりましたが、それでも聴けば聴くほど良さが解ってくる曲。

 持論では…アニメOPは看板であり、ファーストインパクトで視聴者の心を掴むべきで、歴史上の素晴らしいアニメソング達は、その役割を全うした結果素晴らしいとされてきた。だから、噛めば噛むほど味が出るのもいいけれど、まずは口に入れた時点でちゃんと味がしないといけないと考えています。その点で言えば、この曲はそれを満たしていません。

 あっさりとしたヴォーカルの印象が強いからそう感じるのですが、実際は曲も歌詞も極めてアニメソング的。英雄王という作品をしっかり描いています。それに気づくのにはある程度回数を聴く必要がありました。平凡なOP映像だったら2話目以降は飛ばしていたでしょうから、この曲の魅力に気づくこともありませんでした。でも、それでいいんです。アニメソングだもん。

各クールのベストアニソンは以下の通りです。
 冬: DAY1 (英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜)
 春: 夢が覚めても (私の百合はお仕事です!)
 夏: 切っ先 (るろうに剣心)
 秋: ソシテミンナノ (ウマ娘 プリティーダービー Season 3)

ベスト・アクター

1年間で最も素晴らしいと感じた声優を選出します。

上田麗奈

 2019年以来4年ぶりとなる受賞。2024年現在(2018~2023年の期間)では史上初となる2度目の受賞となります。これは偉業です。

 『わたしの幸せな結婚』で斎森美世を熱演…いや、超冷演。あれほどまでに弱々しい、生気を失った人間を演じることができてしまう。そこから少しずつ幸せを掴んで、強くなっていく様を見せてもくれる。引っ張られるように、佐倉綾音の超が付く悪女の芝居をも引き出してみせる。あのシーン…瞬間最大風速で言えば佐倉綾音をベスト・アクターに選びたくもなりましたが、やはり上田麗奈がいたからこそあの神がかり的なシーンになったのではないかな、と。

 これほどの人が主演だと、作品のクオリティが一段も二段も上がりますね。次はどんな芝居を見せてくれるんだろう…っていうワクワク感だけで続きを見られる。アニメが面白くなる。現在30歳、デビューから12年目ですか。ここ数年、「上田麗奈の影響強いな…」と思わせる声優も何人か売れっ子になりつつあるように感じていますが、まだまだ居場所を譲る必要はない、心震わせる芝居をもっともっと見せて欲しいです。

各クールのベスト・アクターは以下の通り。
 冬: 鬼頭明里 (英雄王、武を極めるため転生す 〜そして、世界最強の見習い騎士♀〜)
 春: 小市眞琴 (私の百合はお仕事です!)
 夏: 上田麗奈 (わたしの幸せな結婚)
 秋: 矢野妃菜喜 (ウマ娘 プリティーダービー Season 3)

あとがき

 2023年のアニメを振り返ると・・・爆発力のある作品は無かったかな?『英雄王』はヒロインの良さ、キャラデザやOP映像など確かに素晴らしかったし、『キミゼロ』『スパイ教室』『デパプリ』も安定して面白かった。『ウマ娘3期』や『わたしの幸せな結婚』は声優の芝居に引き込まれました。『16bitセンセーション』は懐古にも浸れるし、いいラブストーリー?でもありました。・・・でも、ドハマりするにはもう一押し欲しい、そんな作品が多かったですね。

 世間的には、これはもう『【推しの子】』一色の年だったんじゃないでしょうか。今年もアニメ!アニメ!のランキングを見てみましょう。

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 そうそう、『葬送のフリーレン』もありましたね。話題になっていたのは推しの子とフリーレンの2作だった印象です。相変わらず、そういうヒット作に縁のない自分・・・(いや、推しの子は最初の方見ましたけどね!)

 この年はほぼほぼ1年無職期間だったのですが、同人誌作りに熱を上げたりもしていて、あまり気合入れてアニメを見ることも無かったかなぁ・・・。アニメが面白いかどうかって、その時その時の自分の状況、コンディションにかなり左右されますからね。またどっぷり浸かれるアニメに出会えるといいな、と思いました。

   
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